中国人留学生に大学・大学院入試などの指導をする予備校「行知(こうち)学園」(東京都新宿区)が、市販の本や問題集を丸ごと違法に複製し、学生に配っていたことがわかった。出版社側は被害額は数百万円規模にのぼるとみており、損害賠償を求める方針。 出版社側の調べでは、違法複製されていたのは「マーケティング戦略」(有斐閣)、「1からの経営学」(碩学舎〈せきがくしゃ〉)などの入門書や、留学生向けのセンター試験にあたる「日本留学試験」の問題集(凡人社)など約10社の90冊。出版社側は把握できただけでも違法複製は延べ95万9千ページに及び、被害額は300万円以上と推計している。 著作権法は、学校の授業や私的利用では著作権者に許可なくコピーすることを認めているが、同学園のような営利目的の予備校は「学校」には該当しない。 学園によると、講師がメールで依頼すると、事務担当者がハードディスクに保管してある電子データ