全国で相次いで明らかになった高齢者の所在不明問題。居住実態のないことが確認できた人に対し、各自治体では住民登録を抹消するなどの手続きを進めているが、高齢者を見守る態勢をどう築いていくのかという根本的な問題は残されたままだ。20日は「敬老の日」。100歳以上の人たちの声を聞くと、高齢者側にも意識改革が必要との指摘がある一方、安心できる施設整備を求める声も上がるなど、問題に揺れ動く高齢者たちの本音が浮かび上がる。 「年老いた親は厄介ものになってしまったのかもしれませんね。構ってもらえなければ、自分で出ていく。その気持ちは分かりますよ」 大阪府吹田市で書道教室を主宰している菅谷藍さん(102)。27歳のときに結婚したが、夫とは間もなく死別。子供はおらず、70年近くのほとんどを1人で生活してきた。 一軒家での1人暮らし。「気楽でいいわよ」と笑う。書道の教え子は毎日のように家を訪れ、お茶や菓子をつま