ライトアップされた渋温泉、金具屋の「斉月楼」。歴史を感じる木造4階建ての建物は映画「千と千尋の神隠し」に出てくる湯屋のモデルとの見方もある =長野県山ノ内町 重厚な木造建築が歴史を物語る、4階建ての宿が温泉街に浮かび上がる。長野県山ノ内町の渋温泉にある温泉宿「金具屋」の斉月楼。 国の登録有形文化財でもある、どこか見覚えある建物は映画「千と千尋の神隠し」に登場する湯屋のモデルのひとつともいわれている。 松代藩の馬具、蹄鉄(ていてつ)などを作る鍛冶屋が1758年に創業した。個性的な屋号の由来はここにある。 斉月楼を手がけたのは6代目館主の西山平四郎。10人以上の宮大工を引き連れて全国を巡り、建築物を視察しながら構想を練ったという。 完成は昭和11(1936)年。当時としては破格の約10万円(現在の約15億円)を投じて完成させた。 雪国には珍しい反り上がった緑色の屋根や、古い水車の一部を壁や廊下