今回は山本弘さんのブログ『山本弘のSF秘密基地BLOG』からご寄稿いただきました。 放射線をめぐる誤解 ネットで調べていると、ちょくちょく放射線についてひどい間違いを言っている人がいます。時にはニュース番組でも間違った解説が流れます。 放射線や放射性物質についての誤解を解くために、こんな解説を書いてみました。 【誤解】 放射線は距離の2乗に反比例して減少する。 つまり原発から20km地点の放射線は、10km地点の量の1/4になる。 【事実】 放射線が“距離の2乗に反比例して減少する”というのは真空中の場合です。大気中では、放射線は空気に吸収されるので、もっと減少率は大きくなります。ベータ線の場合、空気中をせいぜい10mぐらいしか飛びません。ガンマ線も10kmの厚さの空気の壁があれば、ほとんどさえぎられます(実際、宇宙から降り注ぐガンマ線は、ほとんど地表には届きません)。 現在、福島第一原発