人口減少、供給過剰、信用収縮……転換期を迎えている不動産業界。これからの時代を生き残るには、今の常識をアップデートする必要がある。不動産コンサルタントで、新刊『不動産2.0』を発表したばかりの長谷川高氏は、「オフィス空室率」「マンション契約率」「公示地価」といった数字が、必ずしも実態を反映していないと指摘。知られざる「数字のカラクリ」を暴いてもらった。 「オフィス空室率」の罠 まずは「オフィス空室率」です。みなさんも、「オフィス空室率が下がってきた」「オフィス空室率が2パーセントを切った」といった報道や記事をご覧になったことがあると思います。オフィスの需要は極めて活発で、貸しビル業者はおしなべて景気がいいといった印象を受けることと思います。 ところが、この統計の対象になっているのは、いずれも大型ビルなのです。地域によって異なりますが、数値の出所を探っていくと、おおむね1フロア100坪を超え