東京・多摩地域で水道水源の井戸が発がん性の疑われる有機フッ素化合物(PFAS=ピーファス)で汚染されている問題で、住民の血中PFAS濃度の検査に取り組む市民団体が21日、計791人分の分析結果を報告した。都水道局が汚染で井戸の取水を停止した7市の住民の67%が、米国で「健康被害の恐れがある」とする指標を超えていた。受検者向けの健康相談外来で、PFASが発症リスクを上げる脂質異常症を「治療中」と答えた割合が、国調査の平均の約2倍だったことも判明した。(松島京太)
東京・多摩地域で水道水源の井戸が発がん性の疑われる有機フッ素化合物(PFAS=ピーファス)で汚染されている問題で、住民の血中PFAS濃度の検査に取り組む市民団体が21日、計791人分の分析結果を報告した。都水道局が汚染で井戸の取水を停止した7市の住民の67%が、米国で「健康被害の恐れがある」とする指標を超えていた。受検者向けの健康相談外来で、PFASが発症リスクを上げる脂質異常症を「治療中」と答えた割合が、国調査の平均の約2倍だったことも判明した。(松島京太)
発がん性や子どもの発達への影響が指摘されるPFAS。そのPFASで汚染された地下水が、東京・多摩地区にある学校や病院で、飲み水や給食・病院食の調理に使われてきたという。関係者を直撃した。 有機フッ素化合物とは…有機フッ素化合物を総称してPFASと呼ぶ。約5000種類あるとされ、代表的なPFOS、PFOAは国内での製造・使用が禁止され、PFHxSも来年、規制対象となる。アメリカではPFOAを製造していたデュポン社の責任を問う裁判が'99年に起こされ、工場の周辺住民7万人を対象とした疫学調査が実施された。その結果、腎臓がん、精巣がん、潰瘍性大腸炎、甲状腺疾患、脂質異常症、妊娠高血圧症の6つの疾患への影響が確認された。また、複数の専門家から、子どもの低体重や発達に関するリスクを高める、と指摘されている。 学校の蛇口から汚染物質が 発がん性などが指摘されるPFAS(有機フッ素化合物)による汚染が注
PFASを集合住宅の井戸水から検出 相模原市の8カ所で暫定指針超え、最大6倍 東京新聞と京大研究室が共同調査 発がん性の疑われる有機フッ素化合物(PFAS、ピーファス)が相模原市の地下水などから高濃度で検出されたことを受け、東京新聞は京都大の原田浩二准教授(環境衛生学)と共同で、相模原市と、隣接の東京都町田市で計25カ所の井戸水や河川水を調査した。PFASの濃度が国の暫定指針値を超えたのは8カ所。検出濃度は最大で指針値の6倍に達し、一部は集合住宅で飲用水に使われていた。 PFAS 泡消火剤やフライパンの表面加工などに使われてきた有機フッ素化合物の総称。約4700種類以上あり、PFOS(ピーフォス)やPFOA(ピーフォア)などは人体や環境への残留性が高く、健康リスクがあるとされ、国際的に規制が進む。国内では、地下水の暫定指針値をPFOSとPFOAの合計で1リットル当たり50ナノグラム以下と設
東京・多摩地域を中心に発がん性の疑いがあるPFAS(ピーファス)が高濃度検出されている問題を巡り、在日米軍が横田基地(東京都福生市など)で2010〜12年の3回にわたり、PFASを含む泡消火剤の漏出事故が起きたのを防衛省に伝えていたことが分かった。米軍が横田基地内でのPFAS漏出を認めたのは初めて。防衛省が、都の問い合わせに答える形で判明した。多摩地域では、大規模な住民の血液検査で高濃度のPFASが検出されており、横田基地が汚染源の可能性が強まった。(松島京太、渡辺真由子) PFAS 泡消火剤やフライパンの表面加工などに使われてきた有機フッ素化合物の総称。約4700種類以上あるとされる。一部は人体や環境への残留性が高く、腎臓がん発症や胎児・乳児の成長阻害、コレステロール値の上昇、抗体反応の低下などの健康リスクがあるとされ、国際的に規制が進む。本紙は6月11日から始めた連載記事で、2010〜
米軍横田基地(東京都福生市など)で2010〜12年にPFASを含む泡消火剤の漏出があったことを在日米軍が日本側に伝えていた問題を巡り、防衛省は6日、報告があった時期について「米軍側との関係があるため答えられない」と本紙の取材に答えた。基地周辺の自治体からは、地元に情報が提供されるまで10年以上かかったことへの批判の声が上がった。 都によると、防衛省は4日、都と基地周辺の5市1町に対し、メールで「10〜12年に3件の漏出があったと米側から説明を受けている」と連絡した。国として事実を知った時期は「今後の調整に支障を及ぼす恐れがある」として明らかにせず、都には「米国から得られた情報について適切なタイミングで提供できなかったことについては誠に申し訳ない」と謝罪したという。 横田基地での泡消火剤の漏出事故は18年、英国人ジャーナリストが、米国政府への情報開示請求で得た文書を基に初めて報道した。都は1
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米軍横田基地(東京都福生市など)のアンドリュー・ラダン司令官が二十六日、同基地で、就任一周年の記者会見に応じた。多摩地域の水道水源の井戸水が発がん性の疑いがある有機フッ素化合物(PFAS(ピーファス))で汚染されている問題や、周辺自治体の住民との交流などについて答えた。(松島京太) この一年間で、近隣五市一町の首長と会うことができた。直接話をする中で、懸念していることを伝えていただいた。基地活動の影響をどのように最小限に抑えられるかを考え、日々調整している。航空機の騒音は避けられないが、騒音を効率的に抑えられる任務を考えている。空軍兵には常に米国の代表として、敬意を持って日本国民に接するように声をかけている。
「PFAS(ピーファス)」。発がん性などが指摘され、自然界に存在しないはずのこの化学物質が全国で相次いで見つかり、大きな問題となっている。東京の多摩地域では、水道水源の井戸水から高濃度で検出。市民団体の血液検査では、半数以上の住民の血中濃度が「健康被害の恐れがある水準」を上回った。自然界で分解されにくく「永遠の化学物質」とも呼ばれるPFAS汚染は、なぜ広がったのか。「汚れた水」の源流を探った。(文中敬称略。この連載は、松島京太、岡本太、昆野夏子、渡辺真由子が担当します) PFAS(ピーファス) 泡消火剤やフライパンの表面加工などに使われてきた有機フッ素化合物の総称。約4700種類あるとされ、PFOS(ピーフォス)やPFOA(ピーフォア)などは人体や環境への残留性が高く、腎臓がん発症や胎児・乳児の成長阻害、コレステロール値の上昇、抗体反応の低下などの健康リスクがあるとされ、国際的に規制が進む
東京・多摩地域のPFAS(ピーファス)汚染で、住民の血液検査が進められていた3月下旬、都庁第2本庁舎10階の会議室で取材に応じた都環境科学研究所(都環研)の主任研究員の西野貴裕(50)が、ある論文の記述を見つめた。
東京・多摩地域で水道水に利用していた井戸水から発がん性が疑われる有機フッ素化合物(PFAS=ピーファス)が検出された問題で、住民の血液検査に取り組んでいる市民団体が30日、国分寺市を中心とした87人分の分析結果を発表した。血中濃度が米国で定める指標値を超えた住民は約85%に上り、分析した専門家は「水道水が主な要因ではないか」と指摘した。(松島京太) 調査は、市民団体「多摩地域のPFAS汚染を明らかにする会」と京都大の原田浩二准教授(環境衛生学)が行った。PFASは米軍の泡消火剤に含まれ、全国の米軍基地内や周辺などで高濃度で検出され、問題化している。汚染源は、米軍横田基地(福生市など)との関連も疑われている。 今回は、昨年11月から調べている約600人のうち、中間報告として21〜91歳の87人分の結果を明らかにした。血中に含まれる13種類のPFASを分析し、うちPFOS(ピーフォス)、PFO
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