詩人・吉増剛造の個展が開幕。代表作のほか、中西夏之や森山大道らによる関連作品もチェック日本現代詩をリードし続ける詩人・吉増剛造の個展「涯(ハ)テノ詩聲(ウタゴエ) 詩人 吉増剛造展」が、東京の渋谷区立松濤美術館でスタートした。その見どころをお届けする。 詩作や朗読のほか、現代美術や音楽とのコラボレーション、写真や銅板彫刻など、多様な活動を展開してきた吉増剛造。言葉の領域にとどまらない創造性で、日本の現代詩をつねにリードし続けてきた。8月11日より東京の渋谷区立松濤美術館でスタートする「涯(ハ)テノ詩聲(ウタゴエ) 詩人 吉増剛造展」では、60年代から現在に至るまで、半世紀以上におよぶ吉増の仕事を紹介している。 本展は「Ⅰ、詩集の彼方へ」「Ⅱ、写真を旅する」「Ⅲ、響かせる手」の3章で構成されている。1章では吉増の数多くの詩作の中から、『黄金詩篇』(思潮社、1970)、『頭脳の塔』より「古代天
ドローイングの領域を拡張し続けるアーティスト、鈴木ヒラクと、日本を代表する全身詩人、吉増剛造のセッションの記録『Drawing Tube vol.01 Archive』が7月14日、発売される。2016年9月に山形ビエンナーレにて行われたドローイング・パフォーマンスの様子を記録したアーカイブ本だ。 本作品にはセッションの記録の他、神宮巨樹による記録写真や、気鋭の書家、華雪によるテキスト作品《ことばがうまれる間際》、サウンドスケープ研究者の髙橋憲人と鈴木ヒラクの電話対談の内容も収録されている。「Drawing Tube」のオンラインショップとAmazon.co.jpでの取扱のほか、恵比寿のNADiff a/p/a/r/tでは鈴木ヒラクのサイン本を販売する。 発売元の「Drawing Tube」は、鈴木ヒラクが2016年8月に開設した、拡張するドローイングの新たな可能性に関する研究・対話・実践
既成の価値観を否定し、それまでの美術史を切断した芸術運動「ダダ」。この動向に日本でもっとも早く反応したのは、美術家ではなく詩人だった。 1916年2月にスイス・チューリッヒで起こったダダが日本に紹介されるのは、約4年半後の1920年8月15日。新聞『萬朝報』の「文藝」欄で取り上げられたのが最初である。具体的な作品の紹介はないが、ダダの特徴として〈文字の組方が同じ頁の中に縦に組まれて居たり横に組まれて居たり甚だしきに至つては斜に組まれたりして居て、内容よりも外形に重きを置いてゐるやうな傾向がある〉ことについて言及されており、かえって読者の想像力を刺激しただろう。 ©篠原有司 この記事でダダを知った詩人の高橋新吉は、すぐにダダ詩を書きはじめ、日本で最初のダダイストとなる。1923年2月に出た高橋の詩集『ダダイスト新吉の詩』は日本のダダ詩の誕生を告げる一冊で、中原中也や遠地輝武をはじめとする日本
精神医療と患者の<作品>との関係について書いてみました。 まず第一に、精神医療は、文学や芸術をその中に含みこむ言説であり営みであったことを示す。これは、特定の精神科医や特定の作家の問題ではなく、精神医療が基本的な枠組みにおいて文学や芸術にいたる<作品>と不可分であったことを、20世紀前半の日本の精神医学の主要な教科書と精神病院の症例誌を通じて示す。教科書は具体的には呉秀三『精神病学集要』(1894, 2nd ed., 1916-1925)、石田昇『新撰精神病学』(1906; 6th ed. 1915)、下田光造・杉田直樹『最新精神病学』(1922, 5th ed., 1932)、三宅鑛一『精神病学提要』(1932, 7th ed., 1950) である。特に、石田、下田・杉田、三宅の教科書は改訂を重ね、日本の医学教育が拡大する中で精神病学の基本的な教科書として用いられた。精神病院は1901
なんだかフォルマリズムの見直しをしなくちゃと言う気分に襲われてざっと見取り図を作って見た。 ロシア・フォルマリズムとニュークリティシズムをざっと見てケネス・バークとフライをざっと見てロラン・バルトや日本のその受け入れ方をざっと見てデリダやド・マンや日本の評論家などをざっと見てみると言うもの。 いくらざっとざっとと言っても一年では無理だろうな。-と思うけど。 シクロフスキー。 彼はロシア未来派を擁護したフォルマリストだ。 そこで「社会の趣味への平手打ち」という未来派の宣言の一つ(zaumと関係が深い、1912年12月)を覗いてみよう。 「プーシキン、ドストエフスキイ、トルストイ等々を現代の汽船からほうり出せ。」などと過激なことを言っていた。 署名したのは次の4人。ダヴィット・ブルリューク、クルチョーヌイフ、マヤコフスキー、フレーブニコフ。 ネットで見つけたクルチョーヌイフ(Kruchonyk
青木宏さん追悼 ― 「瀧口修造 夢の漂流物」展カタログのこと 土渕信彦 建築には不案内、全くの門外漢で、もともと怠け者で不勉強なものですから、青木宏さんのお名前は存じ上げず、もちろんお目にかかったこともありませんでした。 たまたま9月27日の水曜日は、銀座から … 続きを読む 四国・宇和島のコレクター清家克久さんが久しぶりに上京、7日と8日に在廊されました。 友人やご親戚の方をはじめ多くの方が来廊され再会を楽しまれていましたが、清家さんがこれほどのコレクション(今回の展示はほんの一部ですが)をしているとは皆さんご存じなかったらし … 続きを読む 四国・宇和島に在住の清家克久氏は瀧口修造の熱心なコレクターであり、長年にわたり蒐集してきた瀧口とその関連作家たちについて、ときの忘れもののブログで「瀧口修造を求めて」(全12回)、「瀧口修造と作家たち ― 私のコレクションより ―」(全14回)を連
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