植物にも「匂い物質」を感知する機能がある事実は以前から知られていた。しかし鼻や神経系を持たない植物が、どのようにそれを感知しているのかは未知の問題であった。今回東京大学の研究グループは、匂い物質と結合して遺伝子発現制御に関わる転写制御因子を特定し、その機構の一端を解明することに成功したと発表した。 【こちらも】つる植物は「味覚」によって仲間を避けるという研究、東大 自然環境下において、昆虫がある植物を食べると、その周辺に生えている別の植物が昆虫に食べられにくくなると言う事実が知られている。動物は、天敵などの匂いを感じるとその匂い情報に対して適切な対処行動をとる。これは鼻の奥にある嗅覚受容体で感知されるわけだが、一方植物においても、食害を受けた植物が発する匂いの情報を別の植物が受け取って、何らかの防御手段を講じる、という事実が1980年代に発見されている。 一例として、リママメの葉がダニに攻