本と環境に関するtaronのブックマーク (7)

  • 『牙: アフリカゾウの「密猟組織」を追って』三浦 英之 =著 | アフリック・アフリカ

    紹介:西﨑 伸子 アフリカゾウが近い将来絶滅したとしても「自分には関係ない」。このを読んだ後でも、無関心のままでわたしたちはいられるだろうか。 書は、現職の朝日新聞記者である筆者が、南アフリカ支局の特派員時代にとりくんだアフリカゾウの密猟組織の中枢に迫る取材の記録である。サバンナで圧倒的な存在感を示すアフリカゾウだが、その悠々とした歩き姿や威厳に満ちた行動とは裏腹に、象牙の闇をめぐる書の内容は総じて重く、暗い。長年獣医師としてケニアの野生動物保護区で密猟の取締りをおこなっている滝田明日香の助言を得た著者は、アフリカゾウの群れを皆殺しにし、莫大な利益を得る「犯罪組織」をケニア人取材助手のレオンとともに追いかける。 核心部分にせまる内容は、アフリカゾウ殺しの生々しい現場、密猟組織の中枢にいる国際手配中の人物へのインタビュー、アルカイダ系のテロ組織への資金の流入、さらに取材中におこった筆者

  • 【書評】共生社会への旅:三浦英之著『牙 アフリカゾウの「密猟組織」を追って』

    アフリカでゾウが半減している。跋扈しているのは、象牙を狙って集団でゾウを追い詰め、群れごと根絶やしにする密猟者たちだ。組織を動かしているのは誰か?そして奪われた象牙はどこに運ばれるのか?アフリカに赴任した新聞記者の追跡が始まる。 書の中央に、大きなゾウのカラー写真がある。 いや、地面に横たわる茶褐色の物体がゾウなのか、添えられたキャプションを読まないとわからない。 「顔面をえぐられた状態で見つかったサタオの死骸」 これが、ゾウなのか。写真を見直す気にはなれなかった。 左右合わせて100キロを越える象牙を持つ雄ゾウのサタオの無残な死体がケニアのサバンナで見つかったのは、2014年のことだ。 “密猟者たちは毒矢でサタオを死に追い込んだ後、チェーンソーのような工具を使ってサタオの顔面をえぐり取り、その巨大な牙を両方とも奪い去っていった”。 しかも、サタオがまだ生きているうちに――。 ゾウ一頭で

    【書評】共生社会への旅:三浦英之著『牙 アフリカゾウの「密猟組織」を追って』
  • 『牙 アフリカゾウの「密猟組織」を追って』その何気ない行動が、ゾウの生死を分ける - HONZ

    アフリカでゾウの密猟が急増していると聞かされても、多くの人にとって自分事として捉えることが難しいだろう。しかしゾウが殺されているのは、決して糧としての肉を目的としたものなどではない。付属物にすぎないはずの象牙が1kgあたり2000ドルで闇取引され、遠く中国や日にやってくるのだ。 サバンナのダイヤモンドとも言われる象牙。書は、元アフリカ特派員の著者がアフリカ南部における象牙マーケットの全貌を描き出し、取引された象牙の行く末と私達の生活を結びつけた衝撃のノンフィクションである。 事態は深刻だ。アフリカでは、1940年代に約500万頭いたとされているアフリカゾウが、2010年代にはすでに約1割の50万頭にまで激減しており、このままのペースで密猟が続けば、野生のゾウはわずか10数年で絶滅してしまうかもしれないと言われている。 また、虐殺時の模様も凄惨極まりない。密猟者たちは銃弾を撃ち込んで動

    『牙 アフリカゾウの「密猟組織」を追って』その何気ない行動が、ゾウの生死を分ける - HONZ
    taron
    taron 2019/08/11
    つらい・・・
  • 書評:「小水力発電が地域を救う」中島大・著 | タイム・コンサルタントの日誌から

    最近読んだ中で、最も面白かっただ。わたしはあまり新刊書を批評しない(というか、読んだけれど書評を書けずに溜まっているが沢山ありすぎる^^;)。だが、このはできる限り多くの人に読んでもらいたいので、あえて順番を飛び抜かして取り上げよう。 タイトルを見ると、書はたんに再生可能エネルギーの一分野である「小水力発電」を紹介し、宣伝するだけの目的に思えるだろう。だが著者は、この一見地味な技術について、もっと広いパースペクティブ(ほとんど文明論的な視野)に立って、日社会に与えうるポテンシャルを論じる。いやあ、頭の良い人が書いたは面白いなあ、と読みながら久々に感じた。お勉強のできる人や知識の豊富な人は、たくさんいる。だが、広い視野からものごとを多面的にとらえて考えられる人は、滅多にいないのだ。 著者は、全国小水力利用推進協議会の事務局長。経歴を見ると、’85年に東大の物理学科を卒業するが、そ

    書評:「小水力発電が地域を救う」中島大・著 | タイム・コンサルタントの日誌から
    taron
    taron 2018/03/15
    山村の経済を、既存リソースを流用した小水力発電で維持しようという話のようだ。そもそも、国策が、こういう一次産業を捨てる方向性だが、その流れに一石を投じようということか。
  • 『森の探偵 無人カメラがとらえた日本の自然』人間社会に急接近する動物たち - HONZ

    長野県南部、中央アルプスと南アルプスに挟まれた伊那谷。この地を拠点に、半世紀にわたって活動してきた写真家がいる。書の著者、宮崎学である。1947年、長野県の中川村に生まれた彼は、精密機械会社に勤めた後、72年に写真家として独立し、「自然界の報道写真家」として現在も日中の自然を観察している。 宮崎さんの写真の特徴は、何といっても「無人カメラ」を用いている点だ。長年の経験から、野生動物たちのセンサーをかいくぐって、その生態をとらえるためには、野ざらしの無人カメラしかないと考えた彼は、赤外線を使った自動撮影システムを独自に考案・開発し、山中に設置してきた。書は、そうして撮影された原風景から、動物たちの素顔を読み解かんとする写真集であり、人間社会と自然界の接点を浮き彫りにした調査報告である。 詳しい内容に入る前に、無人カメラの仕組みについてもう少し説明しておこう。普通の写真家がこちら側から動

    『森の探偵 無人カメラがとらえた日本の自然』人間社会に急接近する動物たち - HONZ
    taron
    taron 2017/10/07
    テーマで誰か分かるな。/人間の構造物に適応している野生動物たち。人間と動物の活動範囲が重なり、不幸な接触が起きると。
  • ドキュメンタリ映画『おクジラさま~ふたつの正義の物語』を更に詳しく - HONZ

    2017年8月28日、反捕鯨団体のシー・シェパードは今年の捕鯨シーズンは日の南極調査捕鯨船の妨害を行わないと発表した。日の監視技術に太刀打ちできないのが中止の理由だという。まるで書の発売と映画の封切りを見計らったような時期の発表だ。だがこの問題は解決したわけではない。 書は9月9日から全国で順次公開されるドキュメンタリ映画『おクジラさま~ふたつの正義の物語』の完全書籍化である。 きっかけは2009年8月、『ザ・コーヴ(原題:The Cove)』というドキュメンタリー映画がニューヨークのソーホー地区の映画館で公開されたことだ。和歌山県太地町のイルカ漁を追った作品で、アメリカのインディペンデント映画の賞としては最大のサンダンス映画祭のドキュメンタリー部門で読者賞を受賞。2009年夏に全米で劇場公開が始まると大反響を呼び、その年のアカデミー賞を受賞した。 日の紀伊半島近くに位置する小さ

    ドキュメンタリ映画『おクジラさま~ふたつの正義の物語』を更に詳しく - HONZ
    taron
    taron 2017/09/06
    九州には上映館がゼロという…/シーシェパードネタは、気分が暗くなりそうだがなあ。
  • 『世界からバナナがなくなるまえに 食糧危機に立ち向かう科学者たち』 ロペスのハチ、チョコレート・テロ、現代版ノアの箱舟 - HONZ

    『世界からバナナがなくなるまえに 糧危機に立ち向かう科学者たち』 ロペスのハチ、チョコレート・テロ、現代版ノアの箱舟 バナナがなくなってしまうだって!? 多くの人にとっては寝耳に水であろうが、しかしこの話、けっしてありえないことではないようである。 現在、人々が口にしているバナナは、その大半が単一の品種、すなわちキャベンディッシュバナナである。そしてそのバナナには、遺伝的な多様性がまったくない。というのも、キャベンディッシュは種子がなく、株分け(新芽を移植すること)をとおして栽培されるからである。それゆえ、「キャベンディッシュバナナはすべて遺伝的に同一であり、スーパーで買うバナナのどれもが、隣に並ぶバナナのクローンなのである」。 だがよく知られているように、そうした遺伝的多様性の低い生物は、天敵などの影響をもろに受けやすい。実際、かつて人々が口にしていたバナナ(グロスミッチェル種)は、「

    『世界からバナナがなくなるまえに 食糧危機に立ち向かう科学者たち』 ロペスのハチ、チョコレート・テロ、現代版ノアの箱舟 - HONZ
    taron
    taron 2017/07/25
    種苗業者による遺伝的多様性の低下の方が問題なんじゃなかろうか。/バナナの疫病問題に関しては、いつか来た道だな、完全に。
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