現代の統計学はいろいろな人によって,大きな発展を遂げました。そんな人たちから,『統計学の図鑑』をもとに,何人かご紹介したいと思います。 ナイチンゲール ナイチンゲールはイギリスの看護師です。クリミア戦争の際,傷病者の多くが医療体制の不備のために死亡していく実態を体験し,陸軍の医療衛生制度の改革を訴えます。 このとき「統計データの重要性」と「訴え方(いまでいうプレゼンテーション)の重要性」を知ることになります。 彼女は若い頃から「近代統計学の父」と呼ばれるベルギー人アドルフ=ケトレー(1796~1874)を信奉し,数学や統計に強い興味を持っていました。彼女はその知識を存分に使って膨大なデータを分析し,軍人の多くが戦闘の傷ではなく,傷を負った後の治療や病院の衛生状態が原因で死亡したことを明らかにしたのです。 ナイチンゲールの献身的な活躍と,統計学を用いた説得力で,病院内の衛生状況が改善され,
かつて韓国軍はベトナム戦争に参戦した。精鋭部隊のべ31万人以上を派兵し、5000人前後の死者を出した。この間に生じた民間人虐殺は、最近の「嫌韓」ブームのなかでしばしば取り上げられている。しかしそれは、従軍慰安婦問題などに対する日本の責任を問う声への反撃材料として利用することに終始した、生産性のないものである。 ここで論じたいのは、韓国とベトナム双方での虐殺の語られ方である。そして韓国軍による民間人虐殺に関して韓国世論が二分された背景をさぐり、自国の負の歴史を直視することの困難さに触れたい。 さらに負の歴史を記憶し未来の平和に役立てようとする韓国NGOの活動がベトナムで果たした役割について考えたい。 一方ベトナムでは、戦争に関する歴史認識が公定記憶に強く支配されているため、公定記憶になりえない記憶がこぼれ落ち、国際関係に影響を与えない範囲でしか歴史を語れない状況にあることを指摘する。 韓国で
2015.03.30 Mon 1941年6月22日のナチス奇襲攻撃前に――スターリンは知っていたのか? SYNODOSが選ぶ「ロシアNOW」 スターリンはナチスドイツによるソ連への奇襲攻撃の日を知っていたのだろうか。保安機関はこれについてどのような報告をスターリンに行っていたのだろうか。研究者は何十年もの間、これらの疑問の答えに関心を持ち続けている。最近、この問題に関する新たな資料が開示された。(オレグ・モゾヒン、 歴史学博士) スターリンは何度も、ドイツ東部の国境付近に防衛設備が建設されているという情報を受けていた。ソ連内務人民委員部のラヴレンチー・ベリヤ長官は、1940年8月1日の時点で、ナチスドイツがソ連との国境に永久堡塁を建設しているという諜報データを報告していた。 他の報告は、ナチスドイツによるソ連との戦争の準備そのものに関する諜報データであった。 赤軍参謀本部は1940年10月
2015年02月24日 02:00 カテゴリ科学と暮らし インドヨーロッパ(印欧)語族の起源に決着か? Posted by science_q Tweet "IE expansion" by Dbachmann (トーク ・ 投稿記録) - 投稿者自身による作品. Licensed under CC 表示-継承 3.0 via ウィキメディア・コモンズ. 【インドヨーロッパ(印欧)語族の起源に決着か?】2月13日・ScienceNews:異なった手法で独立に行われた最近の2つの研究結果を合わせると、印欧語族の起源は5,000–6,000年前の黒海・カスピ海北方(現在のウクライナ)とするクルガン仮説(上図)が有力になってきたようだ。これまで有力だった8000–9500年前のアナトリア(現在のトルコ)を起源とするアナトリア仮説(下図)より数千年遅れたことになる。 すでに17世紀半ばにはその語彙
世界史をコショウで斬ったら血みどろだった。 歴史を学ぶほどイギリス嫌いになるが、本書はそいつを加速させる。さらにはオランダやスペイン、米国の悪行が暴かれる。割り引かれて記録されたのでこうなのだから、ホントはいかに非道だったか、推して知るべし。正当化された強奪システムの仕掛けが、胡椒という断面から鮮やかに見て取れる。 食卓に欠かせない胡椒は、かつて非常に貴重な品で、薬として珍重されたり、同量の黄金と取引されたというのは本当だ。だが、腐りかけた臭いを隠すため、あるいは防腐剤としての胡椒は嘘らしい。そもそも高価な胡椒を使えるくらいの金持ちであれば、いつでも新鮮な肉を手に入れることができたはず。胡椒は、金持ちのステータスシンボルだったというのだ。 そして、熱帯以外ではどうしても育たなかったという事実こそが、胡椒をより貴重なものとあらしめ、ひいては植民地主義と帝国主義という邪悪な歴史を生んだという指
El Despacho Desordenado ~散らかった事務室より~2015年1月4日から「Diario de Libros」より改名しました。 メインは本の紹介、あとその他諸々というごっちゃな内容です。 2016年4月13日にタイトル訂正。事務机じゃなくて「事務室」です(泣)。 ここに一冊の本があります。『不撓 日独潜水艦協同訓練時代を偲ぶ』と題された通り、この私家版本は著者の海軍下士官時代を中心にした回想録です。彼は機関兵から、志望だった潜水艦に乗り組んで最終的に機関兵曹長になりました。 そんな彼の乗り組んだ潜水艦の一隻が、ドイツから日本に譲渡されたUボート「Uー511」でした。1941(昭和16)年12月8日と「くしくも日米開戦の日に竣工」(p.84)した本艦は1943(昭和18)年5月にドイツはキール軍港を発ち、当時日本占領下にあったマレー半島ペナンを経て同年8月7日に呉に入港
原爆投下直後の広島市内で救護活動に当たった陸軍司令部の行動を記録した新たな資料が、都内で保管されていることが分かり、専門家は被爆直後の状況を知るうえで貴重な資料だとしています。 資料は広島市宇品にあった陸軍船舶司令部の作戦命令書のつづりで、広島県の復興史の編さんに当たっていた専門家が、東京・目黒区の防衛省防衛研究所に保管されているのを見つけました。 陸軍船舶司令部は爆心地から距離があり、壊滅を免れたため、真っ先に民間人の救護に当たっています。 資料では原爆投下から35分後の午前8時50分に最初の命令が出され、各所で火災が発生し、爆風のため、被害が相当あるとしたうえで消火と救護に当たるよう命じています。 そして、投下からおよそ6時間後の午後2時の時点で司令部に収容した民間人の死傷者が1300人に達したとしています。 また、この日の夕方の時点で1万人分の衣服と食糧を準備し、乾パンなども必要だと
Abandoning daydreams of a life without diabetesAfter years of longing for a cure for her type 1 diabetes, Daisy Watson Shaw, partly due to medical advances in managing the condition, has reached a state of acceptance. Her wishes now are for greater understanding. Primodos, paternalism and the fight to be heardJournalist Florence Wildblood examines the case of Primodos – a conveniently quick but ri
By Daniel Antal 1945年から1989年まで続いた冷戦の間、ソビエト連邦(ソ連)は東ヨーロッパ諸国の共産主義政権を統制し、東ドイツ・チェコスロバキア・ハンガリー・ユーゴスラビアの西側国境に鉄線で作られた柵を設置して国境間の往来を禁じました。資本主義陣営との国交が絶たれたソ連統制下で現代社会に欠かせないコンピュータは独自の発展を遂げていたようで、その詳細を冷戦直下のチェコスロバキアで生まれ、コンピュータに没頭していたというMartin Malý氏が明らかにしています。 Home Computers Behind The Iron Curtain | Hackaday http://hackaday.com/2014/12/15/home-computers-behind-the-iron-curtain/ イギリスのチャーチル元首相は、ソ連が資本主義陣営のアメリカや西ヨーロッ
これまで人が食べたタマネギで一番高価だったのは、1630年代にチューリップを運ぶ船に乗っていたある船員が食べたものだろう。少なくとも、食べた本人はそれをタマネギだと思っていた。 時は、ヨーロッパがチューリップに沸いていた「チューリップ・バブル」の時代。中東からもたらされたこの植物は投機の対象となり、品種によっては天文学的な値段がついていた(その後バブルははじけ、多くのチューリップ投機家が破産する)。 うっかり者の船員がタマネギと間違って食べてしまったのは、チューリップの中でも特に高価なセンペル・アウグストゥスという品種の球根だった。この球根は一般市場では1個5500フロリンという高値で取引されていた。5500フロリンと言ったら庶民の年収の10倍以上に相当する額。これを知った船員は、どうりでずいぶんまずいタマネギだったと言ったという。 古代ローマ軍を奮い立たせた タマネギは、ニンニク、エシャ
日本のインターネット広告の歴史 1996年頃~ バナー広告(純広告) 1996年4月、商用検索サイト「Yahoo! JAPAN」がサービスを開始 1996年6月、「電通」と「ソフトバンク」の合弁によるインターネット広告を専門に扱う広告代理店「サイバー・コミュニケーションズ」設立 1996年7月、「Yahoo! JAPAN」がバナー広告の取り扱いを開始 その後、「インフォシーク」、「goo」などの検索サイトを始め、朝日新聞、日本経済新聞などのWebサイトがサービスを開始 メール広告 数行程度のテキストメール広告からスタート メールマガジン発行サービスが誕生し、メルマガのヘッダーやフッターに広告文を挿入するサービスを提供 1999年頃~ アフィリエイト広告 世界初の成果報酬型インターネット広告 1996年のアメリカで誕生、Amazon.com「アソシエイトプログラム」が世界初のアフィリエイトプ
人類の宇宙開発をリードするNASA(アメリカ航空宇宙局)は、音声ファイル共有サービスのSoundCloudに公式アカウントを開設し、現在までに記録されてきた宇宙開発にまつわる音声の公開を開始しました。その中にはスペースシャトル計画など主なミッションにまつわるものや、映画でも有名になったアポロ13号の「ヒューストン、問題が起こったようだ」などの貴重な音声を聞くことができます。 NASA’s stream on SoundCloud - Hear the world’s sounds https://soundcloud.com/nasa SoundCloudでは、「アポロ計画」「ロケットエンジン」など7つのプレイリストに分類された62個の音声ファイルが公開されており、それぞれダウンロードすることも可能になっています。以下ではプレイリストごとの内容を簡単にまとめてみました。 ◆「Rocket
昨日、ノーベル物理学賞を受賞した中村修二教授の記者会見記事が公開されていました。 日経新聞:中村教授「物理学賞での受賞には驚いた」ノーベル賞 その記事には、以下のように、軍の予算を獲得するために必要だったので米国籍を取得したとあります。 --米国籍を取得した理由は。 「こちらの大学で研究する上では、米国籍がないと軍の予算がもらえないし、軍に関係する研究もできない。それで市民権を取得した」 米国の大学関係者と話していると軍の予算に関する話題がチラホラ登場するのですが、昨日の日経記事を見ていても、米国の大学において軍の予算が非常に大きな意味を持っていることが垣間見える内容だと思いました。 中村修二教授の話題に関連して、様々な方々がIT起業について議論しているのですが、ITやインターネットに関連する話の背景としても、莫大な米軍関連予算が存在していることが多い印象です。 シリコンバレーと米軍の予算
by Len Matthews 今や朝食に登場するだけでなく、デザートやウオツカまで、あらゆる食べ物と組み合わされ、香水まで登場したほど異常な人気を誇る食べ物が「ベーコン」です。アメリカにおいてこの人気は特に顕著なのですが、ベーコン人気は昔からあるものではなく、在庫が残りまくりの不人気食品が過去10年で年間40億ドル(約4300億円)を生み出す巨大市場にまで急成長を遂げた、という歴史があります。 Bacon: Why America's Favorite Food Mania Happened - Businessweek http://www.businessweek.com/articles/2014-10-06/bacon-why-americas-favorite-food-mania-happened 今でこそ外食チェーンに浸透しているベーコンですが、長い間、その売上は80%が小
1940年前後の世界は1度目の大戦が終わり、経済恐慌を経て2度目の大戦へと突入する直前の時代。そんな時代のアメリカの風景を切り取った17万枚の写真を検索して閲覧できるのが「Photogrammar」です。 Photogrammar https://www.photogrammar.org/maps 地図から写真を見るには「Interactive Map」の下にある「See map」をクリック。 画面左上のボタンをクリックすることでさらに拡大・縮小が可能。 細かく色分けされているエリアは、個別のカウンティ(郡)を示しています。さらに色が濃いほど保管されている写真の数も多くなっています。 ニューヨーク中心部、マンハッタン島はかなり濃い緑色をしており、写真の枚数も約2700枚と群を抜いています。「See 2698 Pictures」と書かれている部分をクリックすると、保管されている写真を見ること
発掘調査でこれまでに分かったギリシャ北部アンフィポリス(Amphipolis)近郊にある古代墳墓の概要を示した図と写真(2014年9月9日提供)。(c)AFP/GREEK CULTURE MINISTRY 【9月8日 AFP】(写真追加)ギリシャ最大の古代墳墓で、入り口を支える2本のカリアテッド(女性像の柱)が発掘されたと考古学者らが明らかにした。 柱が見つかったのは、ギリシャ北部マケドニア(Macedonia)地方のアンフィポリス(Amphipolis)近郊。アレクサンダー大王(Alexander the Great)時代の墓の入り口に番人として立っている2体の女性像は、長袖の衣を身に着けている。 文化省の6日の声明によると、「1体の左腕ともう1体の右腕が横に上げられており、墓への侵入を拒む象徴的なポーズをとっている」という。 墓は、アレクサンダー大王時代の紀元前356~323年にまでさ
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