昨年3月11日の東日本大震災による津波に襲われた日本原子力発電東海第二発電所(茨城県東海村)の非常用電源を瀬戸際で守ったのは、震災の2日前に完了した防水工事だったことが13日わかった。 これで、メルトダウン(炉心溶融)に至った東京電力福島第一原子力発電所のような全交流電源喪失を寸前で回避した。 東海第二原発は同日、国の視察に合わせて報道陣に公開された。日本原電は、防水工事を含めた追加対策の費用は明かしていないが、関係者によると1億円を下回る。 事前対策は、2007年に茨城県がまとめた津波想定がきっかけ。日本原電は津波の高さを5・7メートルと試算。非常用電源を冷却する海水ポンプの防波壁を高さ1・6メートルから2・8メートルにする工事に着手した。標高3・3メートルの敷地と合わせて6・1メートルの津波に耐えられるようにした。