去年球根を植えた我が家のユリがつぼみをつけた。あでやかな花を咲かせるのが待ち遠しい。でも、そんなユリが、猫にとっては猛毒なのだ。ユリの成分が体内に入ると、急性の重い腎不全になって死に至る恐れがある。 以前、この欄でポインセチアやクリスマスローズなどを口にすると動物にとって有毒だ、と注意を呼び掛けた。だが、ユリの場合は食べなくても危険にさらされることがあるのだ。 猫が外に出ている時にユリの花粉などが身体に着く。すると、きれい好きな猫は健康なら(歯周病など、歯が痛い場合はしないが)毛についた花粉を懸命になめる。そうすることでユリの成分が体内に入り込んでしまう。ガーデニングが盛んで田園風景が広がる英国では、ユリ中毒が問題になっているという。 花粉だけでなく、茎も葉も害がある。しかもユリのすべての品種が対象だ。主な症状は、吐く、食欲がない、動かない、ふらふらする。そんなはっきりした症状が出た