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ブックマーク / www.newsweekjapan.jp/column (12)

  • 人質殺害事件に寄せて

    人人質事件は、残念な結果になった。 昨年六月に登場して以来、その残虐さで国際社会を震撼させてきた「イスラーム国」が、いかに深刻な問題かを、日は遅ればせながら実感したことになる。 この問題について、筆者はあまり語ってこなかった。少ない情報で、しかも人命がかかっていることで、あれこれ語ることがいいとは思えなかったからだ。この事件に関する日の報道を見ていると、解決に逆効果をもたらしたのではないかと懸念する。 そもそも、国内の普通の誘拐事件だったら、ここまで情報や憶測を垂れ流しにしただろうか。こうすればよい、ああすればよい、といったコメントが、いちいち日側の手の内、対応を犯人に晒しているとの自覚はなかったのだろうか。 犯人が海外だから、日国内で交わされる議論は聞こえないとでも思っているのかもしれない。だが、ネットに掲載される情報は日語でも簡単に自動翻訳にかけられるし、テレビ画像でもY

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    toratorarabiluna273momomtan 2015/02/01
    「そもそも、国内の普通の誘拐事件だったらここまで情報や憶測を垂れ流しにしただろうか。こうすればよい、ああすればよい、といったコメントがいちいち日本側の手の内、対応を犯人に晒しているとの自覚はなかったの
  • 嫌イスラームの再燃を恐れるイスラーム世界

    シャルリー・エブド誌襲撃事件は、世界を震撼させている。欧米諸国を、というより、世界中のイスラーム教徒を、だ。 フランス版9-11事件ともいえるほどの衝撃を与えたこの事件に対して、イスラーム諸国は即刻、テロを糾弾し、フランスへの哀悼を示した。フランスと関係の深い北アフリカ諸国や、経済的なつながりの強い湾岸諸国はむろんのこと、ほとんどの中東の政府、要人が深々と弔意を示している。エジプトにあるスンナ派イスラームの最高学府たるアズハル学院も事件への非難声明を出したし、欧米諸国から「テロリスト」視されているレバノンの武装組織ヒズブッラーですら、惨殺されたフランスの漫画家との連帯を表明している。 意地悪な見方をすれば、この事件がイスラーム教徒の「踏絵」と化しているともいえる。ちょっとでも犯人側をかばうような発言をして、今後吹き荒れるのではと懸念される欧米での嫌イスラーム風潮に巻き込まれて、「テロリスト

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    toratorarabiluna273momomtan 2015/01/10
    「シャルリー誌の侮辱は許せない、だが表現の自由をテロで奪うのはケシカランというごく真っ当な感覚をイスラーム教徒も当然持っているのだと認識すること。そのことをテロの痛みのなかで欧米社会が失わずにいられる
  • 尖閣問題で大騒ぎする中国人の「本音」は

    今週のコラムニスト:李小牧 〔10月10日号掲載〕 歌舞伎町案内人の私が3度泣いた──。に愛人の存在がバレた嘘泣きではない。わが母国の中国と、第二の祖国である日のひどい衝突ぶりに涙したのだ。 日政府の尖閣諸島「購入」に怒った中国のデモが暴徒化して日企業の工場に放火し、日系デパートから時計や貴金属を盗んだ。デモと破壊活動が頂点に達した満州事変勃発日の9月18日前後、私は心配と興奮のあまり、3日間ほとんど寝ずにニュースの進展を見守った。 「趾高気揚(チーカオチーヤン、どや顔)」でひっくり返した日車の上に乗るようなバカな中国人の姿ばかりが目立ったが、マイクロブログ新浪微博(シンランウェイボー)では意外に冷静な意見が目立っていた。それに今回のデモ参加者数は数万人。13億人の全人口から比べれば、0・01%にも満たない。 まったく言い訳できないひどい暴力だ。とはいえ、この問題でなぜこんなに中

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    toratorarabiluna273momomtan 2012/10/15
    『メンツ』『勘違い』『教育』『歴史』
  • 尖閣騒ぎを大きくした真犯人は誰だ?

    今週のコラムニスト:李小牧 〔9月12日号掲載〕 路上だけでなく、大通りに面したあらゆるビルから人々が熱狂的な声援を上げる──。思わず、文化大革命を発動した毛沢東が天安門広場に100万人の紅衛兵を集め、接見したときの様子を思い出した。ただ、私が今回目にしたのは文革のような政治運動ではない。ロンドン・オリンピックから帰国した日人選手たちの銀座パレードだ。 銀座の沿道に集まったのは50万人。熱狂的という点で2つの「集会」は似ているが、中国人が声援を送ったのは、後に国中を大混乱に陥れた指導者。一方、日のパレードの主役は平和の祭典でメダルを獲得したヒーローやヒロインたちだ。もちろん時代も国の事情も違う。だから、これで平和的な日が優れていて、政治運動に狂った中国が劣っているなどと言うことはできない......はずだった。 そんな折、先日の尖閣諸島への香港活動家の上陸騒ぎをきっかけに、中国全土の

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    toratorarabiluna273momomtan 2012/09/17
    『要は日中ともに、実際の生活には何の関係もない人々が暇つぶし的に、あるいは自分の政治的利益のために騒いでいるだけなのだ。』
  • 原発事故で600人以上の死者をもたらしたのは放射能ではない

    福島第一原発事故についての政府の事故調査・検証委員会の最終報告書には、あまり目立たないが重要な指摘がある。双葉病院(福島県大熊町)とその系列の介護施設で患者など約50人が死亡した事件について、8ページにわたって記述しているのだ。 事故直後の昨年3月12日朝、周辺10キロに避難指示が出たのを受けて大熊町は大型バス5台を病院に派遣して209人を救助した。このとき寝たきり患者ら230人が取り残されたが、大熊町は避難が完了したと誤認して放置した。「患者が残っている」という連絡を受けて陸上自衛隊が救助を始めたのは2日後で、寝たきりの患者を長時間搬送し、避難所の施設も不十分だったために多数の患者が死亡した。 報告書はこの原因を「町と自衛隊の連携が不適切だった」と指摘しているが、問題はそれだけではない。双葉病院は福島第一原発から南西4キロの位置にあるが、風は北西に吹いていたので、それほど緊急に避難する必

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    toratorarabiluna273momomtan 2012/07/27
    『ところが原発の避難計画には病院の患者をどう扱うかという項目がなかった』『ところが原発の避難計画には病院の患者をどう扱うかという項目がなかった』『ところが原発の避難計画には病院の患者をどう扱うかという
  • 不人気ロムニーに波乱の兆し

    アメリカの大統領選挙は、この夏の共和党全国大会で誰を選ぶか、州ごとに党員集会や予備選挙を実施して、党大会に出席する代議員を選出しています。 いまのところミット・ロムニー候補が頭ひとつ抜き出ているのですが、外国人記者には評判が悪いのです。 党員集会や予備選挙の投開票の夜、各候補は「祝勝会」を開きます。実際には敗北宣言を出すことになっても、当初は一応、祝勝会を予定します。各候補の集会には当然のことながらメディアが殺到します。その際、多くの候補が誰でもウエルカムの方針をとっているのに、ロムニー候補の事務所だけは、「外国メディアお断り」なのです。 これを評して、フロリダの集会場の外で会った日の新聞記者は、「さすが元投資会社のCEO。利益にならないことはやらないんだね」。 そう、国内のメディアにはどんどん報道してもらいたいが、海外のメディアに便宜をはかったところで、票にはつながらない、というわけで

    不人気ロムニーに波乱の兆し
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    toratorarabiluna273momomtan 2012/02/12
    『いくら立派な演説をしてパフォーマンスを繰り広げても人々はその人物の資質を見抜くことができます。短期間の運動では見抜くことができないかもしれませんがアメリカ大統領選挙の候補選びは1年近く続きますから
  • イギリスは燃えているか

    私のなかの英国は、クラッシュ(London Calling)やセックス・ピストルズ(Anarchy in the UK)などのパンクとかモッズ、あるいはジョン・オズボーン(「怒りをこめて振り返れ」)とかアラン・シリトー(「土曜の夜と日曜日の朝」)などの「怒れる若者たち」なので、8月はじめからイギリス中を席捲している暴動は、それほど意外ではない。映画でいえば、「マイ・ビューティフル・ランドレット」(ダニエル・ディ・ルイス!)なので、移民の第二、第三世代と白人貧困層が置かれた問題にも、そんなにびっくりしない。なんといっても、マルクスがその資主義社会を見て「資論」を書いたのが、英国である。 そうはいっても、今回の連日の暴動は深刻かつ要注目である。80年代の人種暴動と同種視する報道もあるが、暴動発生の引き金となったアフリカ/カリブ系市民への誤射事件を除けば、暴動を起こしている側も被害にあってい

    イギリスは燃えているか
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    toratorarabiluna273momomtan 2012/01/11
    『なんといっても、マルクスがその資本主義社会を見て「資本論」を書いたのが、英国である。』
  • チェルノブイリ原発事故で最大の被害をもたらしたのは放射能ではない

    1986年に当時のソ連で起こったチェルノブイリ原発事故から、昨年で25年。ロシア政府は、25年間の調査をまとめた報告書を出した。これはロシア語でしか発表されていないため、ほとんど知られていないが、重要な教訓を含んでいる。中川恵一氏(東大)の新著『放射線医が語る被ばくと発がんの真実』には、その結論部分が訳されているので紹介しよう。 事故で死亡したのは、原子炉の消火にあたって急性放射線障害になった作業員134人のうち28人。さらに22人が、2010年末までに死亡した。これをすべて含めても直接の死者は50人であり、これ以外に急性被曝による死者は確認されていない。 ただ放射能に汚染された牛乳を飲んだ子供が5000人にのぼり、そのうち9人が死亡した。これはソ連政府が事故を隠したため、汚染された牧草をべた牛によって放射能が濃縮され、それを飲んだ子供が10シーベルト以上の高い放射線を浴びたことが原因で

    チェルノブイリ原発事故で最大の被害をもたらしたのは放射能ではない
  • 米国人ラッパーが作った最強の東京PRビデオ

    今週のコラムニスト:レジス・アルノー 〔10月12日号掲載〕 東京という街を宣伝する史上最高の広告。これを作ったのは日人ではない。ギリシャ出身の無名の監督とアメリカの超人気アーティストだ。 霞が関のお役人の中で、ファレル・ウィリアムスの名を聞いたことがある人はそう多くはないだろう。だがウィリアムスは世界的なスター。73年生まれで、知名度においても影響力においても、同世代のアーティストの中では抜きんでた存在だ。多才な人物で、ラッパーであり歌手であり、ヒット曲を数多く手掛けたプロデューサーであり、作曲家であり、デザイナーとしての実績もある。 要するに、ウィリアムスは流行の最先端にいる人間ということになる。一歩先を見て、べ物や音楽旅行先のトレンドを動かす「世界のトレンドセッター」であり、世界中の若者たちが彼の意見に耳を傾ける。宣伝マンとしてはこれ以上望むべくもない存在だ。 そしてありがたい

    米国人ラッパーが作った最強の東京PRビデオ
  • 「小笠原ことば」だって貴重な文化遺産

    今週のコラムニスト:ダニエル・ロング 〔8月10・17日号掲載〕 ユネスコ(国連教育科学文化機関)の世界自然遺産登録によって、「小笠原」という文字が頻繁にニュースに登場するようになった。とはいえ、そこは東京から1000㌔離れた東京都。180年以上前の江戸時代から続く多言語・多文化・多民族の歴史についてはあまり知られていない。 私が小笠原に初めて行ったのは1997年。当時、大阪大学大学院で日の方言を研究していたが、指導教官の徳川先生に「英語と日語の両方が話せるロング君にしかできない研究があるよ」と教えていただいたのがきっかけだった。 小笠原には、1830年代に島に住み着いた先祖の血を引く欧米系島民が暮らしている。人生の半分以上を日で過ごした私は、複雑なアイデンティティーを持つ彼らに共感できるところがあった。しかし何よりも興味深かったのは、彼らが日常生活で用いている英語と日語が混在する

    「小笠原ことば」だって貴重な文化遺産
    toratorarabiluna273momomtan
    toratorarabiluna273momomtan 2011/08/18
    『消滅の危機にある「日本列島の8言語」をご存じだろうか?沖縄県の与那国語八重山語宮古語沖縄語国頭語鹿児島県の奄美語東京都八丈島の八丈語北海道のアイヌ語だ。私は東京都小笠原諸島の「混合言語」も、そうした
  • 「正しく恐れる」ことのむずかしさ | Newsweek斜め読み | コラム&ブログ | ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト

    東京電力福島第一原子力発電所の事故は、依然状況が深刻であるにもかかわらず、テレビでの報道時間が減少しつつあります。NHKニュースの視聴率も事故直後より低くなっています。まあ、平常時の数字に戻ったということなのでしょう。視聴者の側にも疲れが見えます。 こういう事故が起きると、人は、自分の考えを補強する情報ばかり欲しがる傾向になるのだなと思います。放射能や放射線が恐い人は、今回の事故がいかに危険かという情報ばかりを集めて読みたくなるのでしょう。放射線が人体にどれだけ危険か、その情報を見て得心すると、テレビで「直ちに健康に影響が出るレベルではない」と伝えられても安心できません。むしろ、「政府やマスコミは危険なデータを隠しているのではないか」と疑心暗鬼に駆られてしまいます。不安の悪循環です。 一方、楽観視している人は、私たちが自然界で日常から放射線を被曝していることなど安心情報を求めます。成田~ニ

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  • スカイツリーは東京衰退のシンボルだ | TOKYO EYE | コラム&ブログ | ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト

    今週のコラムニスト:レジス・アルノー パリにモンパルナス・タワーが完成したのは1972年。フランスで一番高い超高層ビルとして、街の中心部に誕生した。この建物は当時、現代化への道をひた走る「新生フランス」をリードする「新生パリ」のエスプリのシンボルして期待された。それは「ほかの先進工業諸国に遅れを取るものか」という意思表示だった。 だがその外観はといえば、六木ヒルズよりはややマシという程度の醜悪さ。時とともに、モンパルナス・タワーは大きな過ちだったことが明らかになってきた。パリの景観を壊しているのだ。 パリは歴史的に「平ら」な都市だ。太陽の光はまっすぐ地面に届き、木々はすくすくと育つ。たちの悪い旅行会社にそそのかされでもしない限り、モンパルナス・タワーを訪れる日人観光客などいないだろう。パリにはこんなジョークもあるくらいだ。「パリで最も美しい景色は、モンパルナス・タワーからの眺め。なぜか

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    toratorarabiluna273momomtan
    toratorarabiluna273momomtan 2010/12/20
    大したものだと言いたいところだが「高い建物を建てること=進歩」という考え方は時代遅れだし今となっては途上国の専売特許だ。私には、東京スカイツリーが日本の進歩どころか衰退のシンボルに思えてならない。
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