《Now Our Minds are in LA #4》 ヨット・ロックとして再評価されるネッド・ドヒニー LAの憂愁を含んだその「朽ちゆく美」 LAのシャイニー・サイドを象徴する音楽シーンとして、今も昔も多くの人がまっさきに思い浮かべるのは、イーグルスやジャクソン・ブラウンらを中心とした70年代の「ウェスト・コースト・ロック」だろう。ビーチ・ボーイズやザ・バーズ、あるいはエレクトラ・レコードの諸アクトから綿々と続くカリフォルニア・コネクションから発展し、アサイラム・レコードというフレッシュな環境のもとで完成したこのムーヴメントは、アコースティック・ギターやコーラスの多用など、そのカラッとブライトなサウンドによって特徴づけられている。 ネッド・ドヒニーは、数多のウェスト・コースト系シンガー・ソングライターの中にあって、近年最もダイナミックな再評価に浴した人物といえる。日本では、かねてよりセ