「早く昔の○○(被告の実名)に戻ってほしい」 証言台に立った男性被告(43)=東京都町田市=の兄が、故郷・大分に住む年老いた母の切実な思いを語ると、被告は唇をかみしめ、体を震わせながら泣き出した。 電車内で女性=当時(20)=のふとももを触るなどしたとして、都迷惑防止条例違反の罪に問われた男性被告の初公判が15日、東京地裁で開かれた。 検察側の冒頭陳述などによると、美容室3店舗を経営する被告は4月20日夕、自宅から渋谷の店舗に向かう途中だった京王井の頭線の車内で、女性が着ていたワンピースを下からめくり、ストッキングの中に手を差し入れたという。 被告は7、8年ほど前から痴漢行為を繰り返すようになり、今回で逮捕は5回目。平成18年の前回逮捕時は執行猶予期間中だったことから、1年間ほど刑務所に服役している。 「電車内で若い女性が近くに来ると、性的な欲求が高くなり、自然に手が伸びていき、自然に触っ