高校生の時、自分で髪切って失敗した事があった。 次の日の放課後、Yに人気のない場所に呼び出され ものすごく深刻な表情で、吐き捨てるように「帽子みたい」と言われた。 Yはヘアメイクが結構上手な子だったので、恥ずかしさで頭に血が上り 「わかってるよ!でも少し我慢してれば何とかなってくるでしょ? 一生このままってわけじゃないし、何もそんな事言わなくてもいいじゃん!」 と言うと、Yが突然泣き出した。しまった、言い過ぎた!と思い、慌てて 「どうにもならなくなったら、あんたの手も借りたい…」と言うと Yは泣きながら「わかった。もうあんな事言わない。ごめんね」と。 つい先日、Yと飲みに行ったら彼女がその話をしたので、色々思い出した。 「あの時はあの勢いに救われたよ。まったくいい友達だ、あんたは」 と、照れたようにYは言ったが、私は顔がひきつった。 「帽子みたい」じゃなくて、「もう死にたい」だったのか…
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