2018年7月、ロンドン。オンラインでの売春プラットフォームを非合法化案への抗議活動に参加するセックスワーカーやアクティビストたち。Photo: Wiktor Szymanowicz / Barcroft Media via Getty Images 2021年4月、新型コロナウイルス対策の救済措置として国から支払われる事業者向けの給付金の対象から性風俗業者を外したことをめぐって、国などに対し関西の性風俗業者が原告となって訴えた裁判の口頭弁論が東京地方裁判所で開かれました。「法の下の平等を保障した憲法に反する。社会の一員として認めてほしい」という性風俗業者に対して、国側は「性風俗業は本質的に不健全。国民の理解が得られない」と反論。裁判の行方が注目されています。 そしてその第1回公判から2カ月も経たない6月1日、立川市のシティホテルで19歳の少年が、派遣型風俗店に勤務していた30代の女性と女
●新聞記事の罪深さと、当事者言論の意味深さ 8/19の毎日新聞デジタル報道センター記事「『生活保護で風俗やめられた』なまぽちゃんが伝えたいこと」は、多くの人の風俗に対する“常識的な”価値観に難なく受け入れられる記事でした。一方で、だからこそ、多くの問題を抱えた記事として、SNSで当事者らから批判の声も上がりました。 同時に、記事で取り上げられた当事者にネガティブな反応や嫌がらせツイートが当事者からくるようになったと聞きました。そして、私の記事批判のツイートがそのきっかけを作った、背中を押した形になったから、考慮してほしかったといわれ、申し訳ないと思うとともに、当事者に矛先が向かうことについてどうしたいいのかと悩み、考えました。 特に今回の記事のような、ある一人の当事者のTwitterアカウントやブログでの発信内容が際立って紹介されているような記事を批判すれば、そこで取り上げられている当事者
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4カ月前と同じ日本と思えない 現在、新型コロナウイルスの影響で収入が激減し生活が苦しい人々のため、政府による様々な緊急支援が行われている。その中の一つとして、幼稚園や小学校等の臨時休業で仕事を休まざるをえなくなったフリーランスの保護者向けに新たな支援金制度がある。 この支援金制度で風俗従事者が支援対象外になっていることが発覚し、「職業差別である」と国民的な反発を招いたことは記憶に新しいだろう。 この問題は4月2日に、セックスワーカーの活動団体SWASHが厚生労働省に提出した抗議文がきっかけでニュースになり、それを知った多くの当事者や有識者、文化人らもSNSで「厚労省は職業差別をするな」と次々に発信していった。 抗議文提出の翌日3日には、加藤厚労大臣が記者会見で「(不支給要件を)見直すことは考えてない」との見解を示し、主要なメディア全社の報道が過熱する。政府や厚労省への市民からの抗議も増え、
ゲイで、セックスワーカーで、人権講師であること 元彼にアウティングされた。 僕がセックスワークをしていたこと、そのことで僕らの仲が悪くなったこと、彼がそのことで悩んでいたことについての長文を、グループLINEで、投稿した。 僕は、案外、冷静だった。 メッセージのスクリーンショットを一枚だけ撮り、PCに保存する。そして、全文をコピーして、evernoteに貼り付けた。何かのときのために必要かもしれないからと、僕は機会的にその作業を行った。それから、速やかにそのグループを退出した。LINEグループは、LGBTを含む性の多様性の授業を学校にしに行くメンバーや、それをサポートしてくれる教員・元教員の人々7名ぐらいで構成されていた。彼の書いたメッセージは、数行読んだだけで、もう読めなかった。気持ちが悪くなったし、さらに気持ちが悪くなりそうだったし、返答を返す気力もなかったし、他の人の既読が付くのをみ
一昨日のジェンダーフォーラムには、多くの方にご参加頂き本当にありがとうございました。...
今年の2月に結婚したのだが、そこに至るまでの経緯がかなり変わっているので、ちょっと文章に残しておこうと思う。 彼女と最初に会ったのは13年前なのだが、最近までほとんどまともに会話したことがなかった。 最初に会ったのは留学先のトロントだった。バイトしていた和食レストランで、数回だけ彼女とシフトが重なった。その店は日本人の留学生を積極的に雇っていた。 彼女は僕より先に帰国した。連絡先を交換することもなく、軽く挨拶だけして別れた。特に仲良くなったわけでもなかった。 数年後、彼女はマッサージ嬢になっていた。いわゆるグレーな店ってやつだ。僕はサラリーマンになっていた。会社帰りに先輩と酒を飲んで、酔った勢いで入った店に彼女がいたのだ。体のラインがくっきり見える白いワンピースを着ていた。スカートはパンツが見えるぐらい短くて、とんでもなくエロかった。お互いに顔を見合わせて、アッという顔をしたが、それ以上は
セックスワーク=貧困!? メディアがセックスワークと貧困の関係をぞくぞくと取り上げている。しかし、その関係性を強調するあまり、別の弊害は出ていないだろうか。今までのセックスワーク論をアップデートするために必要な視点を語り合う。(構成/山本菜々子) 荻上 いま、新たな売春形態やJKビジネスなどにフォーカスをあてる形で、セックスワークが貧困のひとつの受け皿になっている語りが出てきています。ぼくも個人売春に焦点を当てて、貧困とセックスワークの関係について書いています。 こうした語りに対し、セックスワーク全般のスティグマ化につながるのではないかとして、要さんは懸念を表明しており、僕のリサーチについてもご批判をいただいたりしています。そこで今回は、SWASHの要さん、研究者の青山さんに、いま改めてセックスワーカーを日本で議論するため、どのような注意が必要なのか伺っていければと思っています。 まずは前
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