北海道千歳市内の銭湯で4月初め、入浴中に意識をなくし、心肺停止になった男性(86)が、居合わせた入浴客4人の応急措置で一命を取り留めていたことがわかった。 最初に男性の異常に気づいたのは、この日、非番だった道警自動車警ら隊の警部補中山輝一さん(52)。サウナから出てみると、男性は湯船に胸までつかっていたが、目を閉じたまま浴槽の手すりにもたれかかっていた。口からは舌がのぞいていた。 中山さんは、近くにいた入浴客3人に協力を求め、男性を持ち上げて脱衣所へと運んだ。脈はなく、呼吸もしていなかった。 「119番してくれ」「低温やけどをしている。体を冷やしてくれ」。声を張り上げた。救急車が到着するまでの約20分間、中山さんら4人は、全裸のまま必死で人工呼吸や心臓マッサージを繰り返した。やがて心臓が動きだし、男性は意識を取り戻したという。 中山さんは、若い警官に職務質問のノウハウを伝える技能指導員。容