【第76回】(シンガポール共和国) 東南アジアの中心都市シンガポールは、言わずと知れた多民族国家。宗教も多様で、東京23区ほどの面積の街に寺院やモスクがひしめき合っています。その街で、2年に1度開催されるのが仏教徒映画祭。モテまくる修行僧の苦悩を描いた異色時代劇『仁光の受難』(2016)が第5回(現地時間9月22日~29日)に選ばれて、現地でちょっとした物議を醸した庭月野議啓監督がリポートします。(取材・文:中山治美、写真:庭月野議啓、仏教徒映画祭) 仏教団体が主催 映画祭グッズもあります。 仏教徒映画祭の正式名称は、仏教の教文の冒頭に書かれている「如是我聞(かくのごとく、我聞けり」の意味を持つ「Thus Have I Seen Buddhist Film Festival(以下、THISBFF)」。主催は、仏教の価値観と哲学に根ざした文化・教育プログラムを実施している仏教徒の法人団体「ダ