京都府大山崎町円明寺の農業用ため池「中ノ池」を住宅用地として売却する計画が、地元の円明寺区と大山崎町によって進められている。江戸時代からのため池が不要になった背景には、農業用水の需要減少と豪雨災害を防ぐ狙いがある。 中ノ池は、町内に三つある農業用ため池の一つ。広さ約4700平方メートルに7500立方メートルの水をため、水路や久保川を通じて地区のほぼ全域の田畑に水を供給することができる。町有地だが、1889(明治22)年まで存在した円明寺村の財産を引き継ぐ区が管理している。 池の周囲で円明寺が丘団地の建設が1966年に始まった後も田畑を潤してきたが、宅地開発がさらに進み、現在は農家4戸の利用にとどまる。農業用水は、下流のため池「大池」と地下水で足りるという。 2018年には区民集会所が台風で壊れたため、建て替え費用に充てようと、21年に区が売却を決めた。売却手続きを行う町は測量を終え、22年