◇ 「市ケ尾 Pitch Smart(ピッチスマート)」。こんな題名の1枚の紙が、一昨年の秋の大会後、市ケ尾高(横浜市青葉区)の野球部ロッカーに貼られた。 練習や試合で投げた球数によって、次に投球するまでに空けるべき「休息日数」を決めた表もある。35球以下は0日、36~50球までは1日、100球を超えたら5日――。投手陣はこの表を見ながら「練習試合で70球投げたから、水曜までは投げられないな」「日曜の試合で登板する予定だから、金曜に40球、土曜は休もう」と計画を立てる。 考案したのは、菅沢悠監督。前任校で、中学時代にひじの手術経験がある部員を指導した経験から、「けがをしていない選手がいてこそ試合が成り立つ。守りながら投げさせるしかない」と強く意識した。「1試合100球まで」などと上限を設けるわけではなく、「休み」を確保する海外の考え方を知り、「これだ」と導入した。 当初は、部員から「もっと