金井利之(かない・としゆき)群馬県桐生市生まれ。東大法学部卒。都立大法学部助教授などを経て現職。著書に「自治制度」「地方創生の正体」(共著)など。49歳。 ◎金井利之東大院教授に聞く 「地方創生」は人口減少が加速する地方の活性化を名目に、国の音頭で進められる。創生の仕組みは地方の実情に合うのか。国の意向に沿う事業を展開するのが関の山ではないのか。問題点を東大大学院法学政治学研究科の金井利之教授(自治体行政学)に聞いた。 人口減少は日本社会全体では不可避である。ただ、人口が少ない社会自体に問題があるのではない。膨れた人口が急速に減るプロセスでの対応がしんどい。 太った人が急に痩せたら新しい服が必要になる。人口1億3000万を対象とした生産設備は、人口が5000万に減ったら供給過剰を生む。人口減に対処するコストが問題になる。人口増を前提に成長する国家を運営してきた為政者が答えを見いだせて