皆さま、映画『シン・ゴジラ』はもうご覧になりましたか? 公開40日間で、なんと観客動員数420万人を突破し、今なお快進撃が止まっておりません。先日筆者も、そんな『シン・ゴジラ』を遅ればせながら鑑賞。観終わった後、しばらく放心状態になるくらいの衝撃を受けました。 上映時間中、ずっと映画の世界に引きずりこまれていたのですが、一か所だけ"アートテラー"という職業柄、気になって気になって仕方がなかったシーンがありました。それは、首相官邸での緊急会議シーン。壁に飾られていた絵画作品が、どうにも本物くさいのです。どう見ても、片岡球子の作品《めでたき富士》のようなのです。片岡球子(1905~2008)とは、日本を代表する女性画家です。色彩豊かでパワフルな作風で人気を博しました。中でも、特に富士山の絵を多く描いたことで知られています。 あれは、映画内のセットとして作られた精巧なレプリカなのか。それとも、本