■ときめく 楽音生活 新春早々、歴史ロマンにあふれる「頼貞&パブロ・カザルス」リスペクトコンサートが、県立図書館メディア・アート・ホールで開かれます。 ○ ○ 紀州徳川家の16代当主徳川頼貞侯が私財を投じて集めた西洋音楽の資料や楽譜の世界的なコレクション「南葵音楽文庫」が2016年、県に寄託されました。頼貞侯が東京に建てた音楽ホール「南葵楽堂」併設の音楽図書館に所蔵されていたものが、紆余(うよ)曲折を経て継承されてきたものです。貴重な文化遺産として、現在、調査研究などが進められています。 1923年、頼貞侯は世界的チェロ奏者だったジョゼフ・ホルマンを日本に招き、南葵楽堂で演奏会を開催します。そのホルマンの残した楽譜千点が、いま南葵音楽文庫の一部として県立図書館にあります。 今回の演奏会では、その中に残る作品から、チェロ奏者の林裕さんに数曲弾いていただきます。林さんは、チェリストが書い