1970年代後半、ホッキョク鯨の頭数は、500~2,000頭と推定されていたが、現在、その数は8,000頭を超えた。その差は、実際の頭数の増加より、調査の充実による精度の向上に負うところが大きい。コク鯨の場合には、1930年代に、7,000頭と推定されていたが、現在の資源量は、26,000頭、毎年140頭以上の捕獲を許しながらの増加であり、科学者は、これを資源の増加による結果と判定している。 資源に何等の悪影響を与えない捕獲ができるといっても、だから無条件に当該捕鯨を認めてよいということには必ずしもならない。そこで捕鯨反対論者は、鯨が人間かそれに近い知能を持つと主張し、そのような知能の高い動物を殺すのは間違っていると主張する。しかし、彼等の知能については、これまで何十年にもわたる研究があるが、鯨類の知能がとくに勝れているとする証拠はない。鯨類程度の行動や能力であれば、多くの動物にも観察され