フッ化アルゴンは、アルゴンガスとフッ素ガスの混合ガス中で放電したときに生成する、不安定な二原子分子です。この分子は、193nmの紫外光を発すると直ちにアルゴン原子とフッ素原子に解離してしまいますので、単離することはできません。 分子式は ArF です。放電により生成する状態が励起状態であることを明示するために、ArF* と書くこともあります。 この励起状態では、Ar原子とF原子が共有結合をしているというよりも、Ar+イオンとF-イオンがクーロン力で引かれ合ってイオン結合を形成しているらしいので[1]、構造式は Ar+―F- になるのではないかと思います。 [1] T.H. Dunning, Jr. and P.J. Hay, "The covalent and ionic states of the rare gas monofluorides" J.Chem.Phys. 69, 134-