わずか10枚の紙が国政を揺さぶっている。橋下徹・大阪市長が率いる「大阪維新の会」が次期衆院選に向け、作成した政権公約「船中八策」の原案だ。「日本再生のグレートリセット」をうたい、首相公選制や参院廃止など統治機構改革まで踏み込んだ。橋下氏は衆院選での連携の条件として、各党に船中八策への賛同を迫っている。 既成政党は距離を測りかね、右往左往している。参院議員の輿石東・民主党幹事長は「そう簡単にはいかない」と不快感を示し、自民党の石原伸晃幹事長も「首相公選制や参院廃止はわが党の公約ではない」と慎重。しかし、世論の期待を受ける維新を真正面から批判できず、民主党幹部は「触らぬ神にたたりなしだ」ともらした。 昨年11月の大阪府知事・大阪市長選を制した橋下氏は、持論の大阪都構想の実現に向け、当初、2段構えの国政進出を描いていた。まずは既成政党に都構想実現への協力を求め、応じなければ独自候補を擁立。しかし