サウジアラビアでのイスラム教シーア派指導者の死刑執行に端を発し、同国がイランとの国交を断絶し、それにバーレーンやスーダンや続くなど、宗派対立は激しさを増している。こうした対立が、いわゆる「イスラム国」(IS)を利する可能性もあると指摘され、新年早々新たな”処刑”の映像も公開された。シリアの和平は全く見通しが立たず、難民の流出は今も続く。中東がさらに不安定化する懸念と共に明けた2016年。日本はこの現状とどう向き合っていくべきなのだろうか。それを考えなければならないが、「日本は、情報鎖国の状態を何とかしないと、みんな何が問題なのかも分からないんじゃないですか」と指摘する人がいる。イラク戦争が始まって以降、同国への支援活動を続けている高遠菜穂子さんだ。 日本の支援でオープンした母子病院が……高遠さんは2003年5月に初めてイラクに入り、ストリートチルドレンへの支援を始めた。翌年、ファルージャで