隠れたグローバル企業でもあり、全社の売り上げに占める海外売上高は2019年5月期で約6割を占める。世界170カ国以上で販売しており、ブロッコリーは世界でも65%のシェアを誇る。「普段何気なく食べている野菜や、何気なく目にする花も、実は当社の種が使われていることが多い」(同社広報)という、縁の下の力持ち企業だ。 サカタのタネはもう1つ、ある際立った特徴で言及されることがある。その強固な財務基盤である。例えば、会社の安全性を表す指標である自己資本比率は80%を超える。同社が持つ資産の8割以上を自己資本で賄っていて、借入金が極めて少ないということだ。財務省の「法人企業統計調査」によると、2020年1~3月期の、金融業・保険業を除いた法人企業の自己資本比率は43.6%だから、サカタのタネは平均を大きく上回る。 さらに、短期的な支払い能力を示す手元流動性比率も約4カ月分と高い。仮に売り上げがゼロにな