九州を例外として、上位では基本的に東日本、下位では西日本が分布している。なぜなのか。かいつまんでいうと、一大消費地である首都圏を擁する東日本の方が、園芸や畜産といった儲かる農業を発展させてきた。それに対して西日本は、九州をはじめ例外はあるものの、儲かりにくいコメの割合が高くなりがちだ。詳しくは、拙著をご覧いただきたい。 山形は知事が農業の素人だから農業が発展した? 書籍の取材を始めるまでは、都道府県の農政において最も重視される指標は、農業産出額だとばかり思っていた。ところが、取材するにつれ、多くの県はそうなっていないと気付く。 そもそも、農水省からして農業産出額を将来的にどのくらいにするか、示していない。農業産出額に限らず、業績の管理や評価をするために重要な指標となる「KPI(重要業績評価指標)」を示さず、実施した政策の効果を検証してこなかった。2014年以降は一部でKPIを示すようになっ