水田を産卵や生育の場とする生物の保全のため、水田と農業用排水路を生物が行き来できるようつなぐ人工的な水路「水田魚道」について、県立岐阜農林高校(北方町)で今月、魚道設置によって水田に遡上(そじょう)する魚の数が急増したなどの効果が報告された。水田魚道の設置を進める県は、多様な生物がすむ好環境の水田で取れた米をPRし、ブランド化することも狙っている。 「魚道に取り付けた光センサーで、昨年6~9月、タモロコやナマズ、モツゴなど7種類の遡上魚が確認された」「水田での減農薬栽培の効果もあり、魚道が稼働した2015年度に比べると、昨年度の遡上数は3倍の約6000匹に上っている」 今月14日、岐阜農林高校敷地内にある水田(3000平方メートル)に県が設置した魚道の調査結果を、研究に取り組む同校環境科学科の生徒7人が説明した。 県によると、かつては全国的に流れの緩やかな河川や水路にメダカなどが生息し、5