逆川で見つかった大量の魚の死骸の一部=5月3日、水戸市内(川島省二さん提供) 水戸市を流れる逆川で5月上旬、コイやウナギなどの魚が大量死した問題は、緑地が整備され憩いの場として親しまれる川だけに、住民に不安を広げた。原因は、環境基準値を超えて検出された農薬の可能性が高い。農薬を保管していた倉庫の火災との因果関係が推定されたものの、保管していなかったとされる農薬成分も川から検出され、県や市が流出源を特定するには至らなかった。水質は現在、平常値に回復。環境保全団体からは「生き物が戻るにはどれだけの時間がかかるか」と懸念の声が上がっている。 ■ほぼ全滅 「魚が死んでいる」。市に最初の通報が入ったのは5月2日午前11時ごろだった。住民によると、逆川下流の桜川を含む流域数キロにわたり、魚がたまった状態で大量に死んでいた。散歩の途中で発見した同市千波町の無職男性(75)は「あれだけ魚が大量に死んでいる