青森県内のリンゴ農家が、かさむ薬剤費に悩んでいる。リンゴの実や葉に黒い斑点が生じる黒星病がまん延し、散布回数や量が増加したためだ。薬剤に耐性を持つ菌が現れたことも農家を悩ませており、新たな薬剤の開発が急がれる。(青森総局・茂木直人) <年間で15万円増> 黒星病の感染拡大を受け、五所川原市と、ごしょつがる農協(五所川原市)は一時、農家から被害果の処分を請け負った。農家個人による処理では追い付かず、市などが乗り出す異例の措置。8日間で延べ473人から約73トンの被害果が集まった。 「今年はこれまでにないほど黒星病がはやった。深刻だ」。約70アールの畑でリンゴを栽培している黒石市の農家乗田啓逸さん(66)はこの1年、黒星病対策として薬剤散布に追われた。例年と比べて、1回当たりの散布量は1000リットル増えた。散布回数も4~5回多くなり、年間の薬剤費の負担増は15万円近くになるという。 ごしょつ