山澤清さん。70歳。オーガニック(有機農法)を凌駕する「モーガニック」の提唱者として、自然化粧品の生産や国内唯一の食用鳩の飼育など数々の事業を起こしてきた彼が、山形県鶴岡市で「ベジタイムレストラン土遊農(どうゆうのう)」を今年6月に開店。次々に革新的なアイデアを具現化し続ける、業界の風雲児が山形にいると聞き、訪ねてみた。 ■ 大旅館のヒモだったからできたこと(笑) 1980年、日本にまだまだ“オーガニック”の概念が定着していなかったころ、山澤さんは「ハーブ研究所スパール」を立ち上げた。有機肥料は食用鳩の糞と、無農薬で化学肥料不使用の有機栽培された麦の穂のみを使用。その鳩はノンワクチンで、無農薬の有機の麦を餌にしているので、完璧なオーガニックによる循環農法を確立した。 ちなみに“オーガニック”を語る商品は現在ではたくさん出回っているが、日本の有機JASでは、実は20種類の農薬使用が認められて