2014年9月3日、大阪府立大学は世界で初めて、細胞内に存在する「時計遺伝子」の特性を利用して、野菜の栽培を効率化するグリーンクロックス技術を採用した量産タイプの完全人工光型植物工場「グリーンクロックス新世代植物工場」を中百舌鳥キャンパスに開設した(図1)。 レタスなど葉物野菜を栽培する。日産5000株というのは、植物工場としては日本で5番目の規模である。9月17日の見学会では工場内部が公開された。 植物を個体差で選別 グリーンクロックス技術の仕組みはこうだ。植物は、細胞の一つひとつに体内時計がある。体内時計は発芽した時から働く。この体内時計の性能によって、同じ環境下でも植物の成長度合いは異なる。なぜなら人に個体差があるように、植物にも個体差があるからだ。 なるべく元気で成長の速い苗を選べば、同じ環境でも収穫量を増やすことができる。統計的に相関関係を調べているので、体内時計の性能を診断すれ