有明海でこの秋に生産された養殖ノリが不作だ。品質低下につながる「赤腐れ病」が広がったためで、沿岸の佐賀、福岡、熊本各県では11日までにそれぞれ2回の入札が行われたが、いずれも販売枚数は前年を大きく下回っている。漁業者らは危機感を募らせ、これから生産が始まる「冷凍網」に期待をかけている。 有明海の養殖ノリは例年10月から海に養殖網を広げて種付けが行われ、1カ月ほどで「秋芽ノリ」が収穫される。一部の網はその前に陸に上げて冷凍保存されており、秋芽の収穫後、この「冷凍網」を海に張り込み、生産を始める。 不作の原因とされる赤腐れ病は水カビの一種で、ノリに感染すると見た目が赤っぽくなり、穴があいて海中でちぎれてしまう。 今季は有明海の海水温が高かったため、秋芽ノリのシーズンにこの病気が広がったとみられている。佐賀県有明水産振興センターによると、同県沖は全域で海水温が例年より3度ほど高く、11月上旬から