要旨 理化学研究所(理研)環境資源科学研究センター統合メタボロミクス研究グループの斉藤和季グループディレクター(千葉大学大学院薬学研究院教授)、セルロース生産研究チームの持田恵一チームリーダー、統合ゲノム情報研究ユニットの櫻井哲也ユニットリーダー(高知大学総合科学系複合領域科学部門准教授)、大阪大学大学院工学研究科の村中俊哉教授、關(せき)光准教授らの共同研究グループは、漢方などに使われる重要生薬「甘草(カンゾウ)」の全ゲノム解読を行い、推定されているゲノムサイズの94.5%に相当するゲノム情報を得ることに成功しました。 甘草は、さまざまな漢方薬の原料として最も広範に用いられているマメ科の生薬です。甘草には、抗炎症作用や痛みや咳を沈める効果をはじめ、多数の薬効があります。また、根に含まれる主要成分のグリチルリチン[1]は、医薬品、化粧品、天然甘味料の原料として世界的に需要が高まっています。