モヤシの値段が安すぎるとして生産者団体が取引先のスーパーなどに値上げを求めている。原料が高騰する一方、商品価格が上がらず、10年足らずで100社以上が廃業。「このままでは食卓から消えてしまう」と訴える。家計の味方はどうなってしまうのか。 4月下旬、東京都北区のスーパー。特売で1袋(200グラム)15円のモヤシが売り出され、多くの人が買い求めた。近所の主婦(37)は「毎日のように色々な料理に使うので安いのはありがたい」。生産者が値上げを求めていることは知らず「利益は出ていると思っていた」と話した。 「モヤシ部門は赤字。企業努力も限界です」。1日約20万袋を生産する旭物産=水戸市=の林正二社長(63)はため息をつく。7年前に作った工場は機械化を推し進めた。大量に使う水の質を向上させ、食品安全の国際認証も取得。だが値段には反映されず「こだわっても消費者には『モヤシはモヤシ』と見られてしまう」。