本年は国連の定める国際果実野菜年です。野菜や果物は、栄養・健康上の利点だけでなく、動物性食品と比べて環境負荷が相対的に低いことや、バリューチェーンに関わる人々の生活向上への貢献などからも、昨今のフードシステム変革において注目すべき重要な食品群だと言えます。 以前は、栄養バランスよりもカロリーを充たすことが重視されていたため、コメや小麦などの主要穀物に比べると野菜や果物に対する研究は限られたものでした。しかし最近では、スマート技術など最先端の技術が野菜や果物にも応用されるようになっています。野菜や果物を、より栄養に優れ入手しやすく無駄なく安全なものにするために、研究による技術開発とその普及が果たす役割は大きいのです。 一方、開発途上地域に目を向けると、生産や流通などにさまざまな課題を抱えていることがあります。野菜・果物は傷みやすく食品ロスにつながりやすいこと、主食に比べて果物・野菜は割高で、