千葉大学社会精神保健教育研究センターの橋本謙二 教授(神経科学)、大学院医学薬学府博士課程3年の蒲垚宇 氏らは、妊娠中の農薬グリホサートの摂取が、子どもの自閉症スペクトラム障害(※1 ASD: autism spectrum disorder)などの神経発達障害の病因に関係している可能性があることを示しました。病因が未解明となっているASDの予防法・治療法の開発の足掛かりになることが期待されます。本研究成果は、2020年5月11日(米国)に米国科学アカデミー紀要の電子版で公開されます。 研究の背景 ASDは代表的な神経発達障害ですが、その病因は未だ明らかにされていません。一方で、多くの疫学研究から、環境要因(農薬等の環境化学物質など)がASDの発症に寄与している可能性が指摘されています。2019年4月に英国BMJ誌に掲載された論文では、米国カリフォルニア州の農業地帯の人口ベースの症例対照研