昨年はシャンパン業界にとっていろいろな意味で厳しい年だった。まず、新型コロナウイルスの流行により祝い事がなくなったことで、シャンパンの売り上げが70%も減少し、約1億本もの売れ残りが出た。さらに、米国が2019年10月に導入した追加関税により、同国でのシャンパン価格はつりあがった。 そんな中、シャンパンを生産する仏シャンパーニュ地方で新たな脅威が現れた。それは、ブドウ畑での羊盗難だ。フランスでは、農薬を使わず環境に優しい農法として羊を活用する農家が増えている。羊はブドウ畑で花や雑草を食べるため、草刈り機や農薬が必要なくなるのだ。 地元紙ルニヨンによれば、モエ・エ・シャンドンが完全無農薬化を目指し巨額を投じて設立したエコ農園で今月、羊14頭とソーラーパネル1台が盗まれる事件があった。ソーラーパネルは、羊の電気柵への電気供給に使用していたものだ。 英業界誌ドリンクス・ビジネスによると、モエは持