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  • 植物光受容体の形と光誘起変化 | 理化学研究所

    要旨 理化学研究所(理研)放射光科学総合研究センター生命系放射光利用システム開発ユニットの岡島公司客員研究員(慶應義塾大学理工学研究科特任助教)、山雅貴ユニットリーダーらの共同研究チームは、大型放射光施設「SPring-8[1]」の放射光を用いたX線小角散乱法[2]によって、植物個体の光屈性や葉緑体の細胞内運動を制御する青色光受容タンパク質「フォトトロピン[3]2」の全長の立体構造を明らかにしました。 1880年、チャールズ・ダーウィンらは、光の方向に植物の茎などが屈曲する「光屈性」という植物における光合成効率を最適にする運動を発見しました。その後の研究で、光屈性の原因タンパク質として、青色光受容によって制御されるタンパク質フォトトロピン1とフォトトロピン2が見いだされています。特に、フォトトロピン2が青色光受容すると、その信号が酸化酵素ドメインに伝達され他のタンパク質をリン酸化してさま

    agrisearch
    agrisearch 2018/01/04
    緑体の細胞内運動を制御する青色光受容タンパク質「フォトトロピン[3][news][植物][科学]2」の全長の立体構造を明らかに」
  • ぜんそくに関わる新しい遺伝子領域を発見 | 理化学研究所

    要旨 理化学研究所(理研)統合生命医科学研究センター医科学数理研究グループの角田達彦グループディレクター(東京医科歯科大学医科学数理分野 教授)らの共同研究チーム※は、「国際共同研究トランスナショナルぜんそく遺伝学コンソーシアム(TAGC)[1]」に参画し、大規模ゲノムワイド関連解析(GWAS)[2]を行い、新しいぜんそく関連遺伝子と、ぜんそくと自己免疫疾患[3]や炎症性疾患との関係、そして感染などへの免疫応答の関与などの手がかりを発見しました。 多因子疾患であるぜんそくの罹患率は、日人では5~8%、米国ではメキシコ系アメリカ人の3.9%からアフリカアメリカ人の12.5%までさまざまです注1)。また、遺伝的要因のぜんそくリスクへの寄与率は、25~80%と推定されています注2)。このように、罹患率や寄与率の推定値が大きく異なるのは、ぜんそくは環境の違いに左右されやすく、症状もさまざまだか

  • 理化学研究所と農業・食品産業技術総合研究機構との連携・協力に関する協定締結について | 理化学研究所

    理化学研究所(理研)と農業・品産業技術総合研究機構(農研機構)は、我が国の科学技術の振興及び農業・品産業に関する技術の向上に重要な役割を果たすことを目的とし、連携・協力に関する協定を平成29年12月25日に締結しました。 協定の概要 協定の概要と目的 協定は、我が国唯一の自然科学の総合研究所である理研と、我が国唯一の農業・品に関する総合的な研究開発機関である農研機構が、双方の研究開発能力、研究開発基盤を結集し、共通の課題解決に向けて相互に協力することを定めるものです。両研究機関が広く連携し、互いの得意分野における研究開発能力を発揮して新たな研究開発を行うことにより、農業・品産業分野における科学・産業イノベーションを強力に牽引し、農業・品産業の持続的な発展と農産物の安定供給、作物等の生命情報の利活用による産業振興及び国連が掲げる持続可能な開発目標(SDGs)の達成に貢献することを

  • 脳の基本単位回路を発見 | 理化学研究所

    要旨 理化学研究所(理研)脳科学総合研究センター局所神経回路研究チームの細谷俊彦チームリーダー、丸岡久人研究員らの研究チーム※は、哺乳類の大脳皮質[1]が単純な機能単位回路の繰り返しからなる六方格子状の構造を持つことを発見しました。 大脳はさまざまな皮質領野[2]に分かれており、それぞれ感覚処理、運動制御、言語、思考など異なる機能をつかさどっています。大脳は極めて複雑な組織なため、その回路の構造には不明な点が多く残っています。特に、単一の回路が繰り返した構造が存在するか否かは不明でした。 今回、研究チームは、大脳皮質に6層ある細胞層の一つである第5層をマウス脳を用いて解析し、大部分の神経細胞が細胞タイプ特異的なカラム状の小さなクラスター(マイクロカラム)を形成していることを発見しました。マイクロカラムは六方格子状の規則的な配置をとっており、機能の異なるさまざまな大脳皮質領野に共通に存在して

  • かび毒の生産制御機構 | 理化学研究所

    要旨 理化学研究所(理研)環境資源科学研究センター ケミカルバイオロジー研究グループの尹忠銖研究員、山高幸専任研究員、長田裕之グループディレクターの研究チームは、かび毒[1]の一つテヌアゾン酸[2]の生産制御因子の遺伝子を2個同定し、テヌアゾン酸の生産制御メカニズムを明らかにしました。 テヌアゾン酸はかび毒として知られる化合物(二次代謝産物[3])で、植物病原糸状菌[4]のAlternaria(アルタナリア)[5]から発見され、1957年に報告されています。その後、テヌアゾン酸はAlternariaだけでなく、イネいもち病菌[6]など多くの植物病原糸状菌が生産することが分かっています。テヌアゾン酸はタンパク質の合成を阻害し、植物に対する毒として作用します。テヌアゾン酸などのかび毒を制御するには、その生産メカニズムを明らかにすることが重要です。研究チームは、テヌアゾン酸を特定の条件でのみ生

  • T細胞分化を管理する転写制御機構を解明 | 理化学研究所

    要旨 理化学研究所(理研)統合生命医科学研究センター免疫転写制御研究グループの香城諭上級研究員、谷内一郎グループディレクターらの研究チームは、マウスを用いて、転写因子Bcl11bがヘルパーT細胞[1]、キラーT細胞[2]および制御性T細胞[3]への分化を適切に管理する重要な役割を担っていることを解明しました。 私たちの体を病原体やがんから守る際に重要な働きをするT細胞は、抗原を認識するT細胞受容体[4]の性質によって、ヘルパーT細胞、キラーT細胞、制御性T細胞などの細胞系列に分けられます。これらのT細胞は、骨髄に由来する共通の前駆細胞が胸腺[5]で分化・成熟することによって生まれます。それぞれの細胞に分化するためには、転写因子[6]として、ヘルパーT細胞ではThPOK、キラーT細胞ではRunx3、制御性T細胞ではFoxp3の発現が必要です。しかし、細胞系列に応じた転写因子の発現を適切に管理

  • 哺乳類の受精における精子ゲノム再構築機構を解明 | 理化学研究所

    要旨 理化学研究所(理研)バイオリソースセンター遺伝工学基盤技術室の小倉淳郎室長、畑中勇輝訪問研究員、眞貝細胞記憶研究室の眞貝洋一主任研究員、津坂剛史大学院生リサーチ・アソシエイト、環境資源科学研究センター生命分子解析ユニットの堂前直ユニットリーダー、鈴木健裕専任技師らの共同研究グループ※は、マウスを用いた研究から、哺乳類の受精時に起こる精子ゲノムの再構築に関する新たな制御機構を明らかにしました。 卵子および精子のゲノムは受精後、全ての細胞に分化できる能力(分化全能性)を獲得します。非常にコンパクトな構造を持つ精子核は、受精後に通常の細胞核へと再構築されます。この際、精子ゲノムには二つの大きな変化が生じます。一つは、精子固有の核タンパク質プロタミン[1]が卵子由来のヒストンタンパク質[2]に置換されます。もう一つは、大規模な能動的DNA脱メチル化[3]です。しかし、このようなゲノム再構築に

  • 魚類網膜のモザイク形成過程を数理モデルで再現 | 理化学研究所

    要旨 理化学研究所(理研)理論科学連携研究推進グループ階層縦断型理論生物学研究チームの小川軌明特別研究員らの共同研究チーム※は、魚類の網膜[1]上で錐体細胞[2]が作るモザイクパターンの形成過程を数理モデル[3]化し、網膜の成長に伴って特定の向きのパターンが自動的に形作られる様子を再現することに成功しました。 多くの硬骨魚類[4]の眼の網膜では、4原色(赤、緑、青、紫外線)をそれぞれ感知する4種類の錐体細胞が、規則的なモザイクパターンを形成しています。その形成過程については、細胞間接着分子[5]の作用を主とした数理モデルが、望月敦史チームリーダーらにより従来から提唱されていました注1,2)。しかし、パターンが特定の方向を決定するメカニズムは不明なままでした。 今回、共同研究チームは、従来のモデルの要素に加え、網膜全体の成長過程を取り入れた新たな数理モデルを構築し、数学的解析およびシミュレー

  • 植物二次代謝産物の生合成遺伝子の推定を簡便に | 理化学研究所

    要旨 理化学研究所(理研)環境資源科学研究センター機能開発研究グループの花田耕介研究員(研究当時、現九州工業大学情報工学研究院准教授)、九州工業大学情報工学研究院の白井一正研究職員らの共同研究グループ※は、複数の植物ゲノムデータを統合させた情報解析を利用して、二次代謝産物[1]の生合成に関わる遺伝子群を高精度で推定する簡便な手法を開発しました。 植物が生み出すさまざまな二次代謝産物は、染料、香料、医薬品などとして利用されています。二次代謝産物を人為的に生産するには、植物の二次代謝産物を生合成する遺伝子群の同定が必須となります。また、二次代謝産物をより効率的に生産するには、二次代謝産物を生み出す進化のメカニズムを明らかにする必要があります。そのため、大量の二次代謝産物の生合成遺伝子群を同定する簡便な方法が求められていました。 今回、共同研究グループは、①網羅的な二次代謝産物を同定するメタボロ

  • 細胞のうるおいを測る | 理化学研究所

    要旨 理化学研究所(理研)生命システム研究センター集積バイオデバイス研究ユニットの田中信行研究員、田中陽ユニットリーダーと株式会社北川鉄工所の春園嘉英係長、那須博光らの共同研究チーム※は、細胞を壊さずに細胞の「濡れ性」を評価する新たな装置を開発しました。 近年、培養細胞などを使って、機能不全に陥った組織や臓器の機能回復を図る再生医療が注目を集めています。この培養細胞が対象の組織や臓器と同等の機能を持っているかを評価するには、これまで細胞から遺伝子やタンパク質などのターゲットとなる物質を検出し、対象と同量含まれているかを調べていました。しかし、このような細胞の機能評価では多くの場合、細胞内部の物質を得るために細胞を壊したり、特殊な試薬を反応させたりすることが常識でした。一方で、培養細胞を壊さずそのままの状態で機能評価できれば、高機能な培養細胞を選び取って治療に使うことが可能になります。 今回

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    agrisearch 2017/09/19
    「濡れ性」「非接触濡れ性評価システム」
  • 洗濯可能な超薄型有機太陽電池 | 理化学研究所

    要旨 理化学研究所(理研)創発物性科学研究センター(CEMS)創発ソフトシステム研究チームの福田憲二郎研究員(染谷薄膜素子研究室研究員、科学技術振興機構(JST)さきがけ研究者)、染谷隆夫チームリーダー(染谷薄膜素子研究室主任研究員、東京大学大学院工学系研究科教授)らの共同研究グループ※は、洗濯も可能な伸縮性と耐水性を持つ、超薄型有機太陽電池[1]の開発に成功しました。 衣服に貼り付けることができる太陽電池は、生体継続モニタリングに向けたウェアラブルセンサーなどを駆動するための電源として重要な役割を果たします。このような太陽電池の実現には①高い環境安定性、②高いエネルギー変換効率(太陽光エネルギーを電力に変換する効率)、③機械的柔軟性、の三つの要素を同時に満たす必要があります。しかし、従来の有機太陽電池ではこれらを同時に満たすことは困難でした。 今回、共同研究チームは、超柔軟で極薄の有機太

  • 病原体センサーの機能を変える糖鎖を発見 | 理化学研究所

    要旨 理化学研究所(理研)グローバル研究クラスタ疾患糖鎖研究チームの飯島順子研究員(研究当時)、小林聡研究員(研究当時)、北爪しのぶ副チームリーダー、谷口直之チームリーダーらの共同研究チーム※は、自然免疫[1]反応において、さまざまな病原体を認識し重要な役割を果たすToll様受容体4(TLR4)の働きが、たった一つの糖の有無で大きく変わることを見いだしました。 哺乳類の免疫機能は、主に自然免疫と獲得免疫[1]に分類されます。主にリンパ球[2]の働きによる獲得免疫は抗原特異的な抗体を作ることで、病原体を特異的に認識し排除します。また、自然免疫を担うマクロファージ[3]はToll様受容体(TLR)[4]が病原体を特異的に認識し、排除することが分かってきました。一方、インフルエンザウイルスなど重篤な病気をもたらす病原体は、宿主細胞の糖鎖[5]を介して感染することが知られています。このように、TL

  • 肥満に影響する遺伝マーカーを解明 | 理化学研究所

    2017年9月12日 理化学研究所 日医療研究開発機構 東北大学東北メディカル・メガバンク機構 岩手医科大学いわて東北メディカル・メガバンク機構 要旨 理化学研究所(理研)統合生命医科学研究センターの久保充明副センター長、統計解析研究チームの鎌谷洋一郎チームリーダー、秋山雅人リサーチアソシエイトらの共同研究グループ※は、東北大学東北メディカル・メガバンク機構の山雅之機構長ら、岩手医科大学いわて東北メディカル・メガバンク機構の清水厚志部門長代理ら、国立がん研究センター社会と健康研究センターらと共同で日人約16万人の遺伝情報を用いた大規模なゲノムワイド関連解析(GWAS)[1]と日人約1.5万人による再現性の検証、ならびに欧米人約32万人との民族横断的解析を行い、体重調節に関わるヒトゲノム上の193の遺伝的変異(感受性領域)を同定しました。 肥満[2]はさまざまな病気の発症リスク因子で

  • 発達期の脂肪酸不足が統合失調症発症に関連 | 理化学研究所

    要旨 理化学研究所(理研)脳科学総合研究センター分子精神科学研究チームの吉川武男チームリーダー、前川素子研究員らの共同研究グループ※は、マウスを用いた研究により、脳発達期の脂肪酸[1]の摂取不良が統合失調症発症リスクに関与する可能性があることを示しました。 統合失調症は、幻覚、妄想、認知機能異常など、さまざまな症状が現れる精神疾患です。その生涯罹患率は人口の約1%と高く注1,2)、一旦発症すると、完全な回復は困難であることが少なくないため、より効果的な治療法や予防法の開発が望まれています。統合失調症は主に思春期以降に発症しますが、発症しやすさには遺伝要因に加えて環境要因が関わることが知られています。オランダと中国における独立した二つの大飢饉の期間に妊娠期を迎えた母親から生まれた子どもは、将来の統合失調症発症率が約2倍なったという疫学的知見注3,4)をもとに、「妊娠期の一時的な栄養不良」が環

  • 沖縄三大高級魚スジアラの効率的給餌法にヒント | 理化学研究所

    要旨 理化学研究所(理研)環境資源科学研究センター環境代謝分析研究チームの菊地淳チームリーダー、坂田研二テクニカルスタッフ、水産研究・教育機構中央水産研究所水産生命情報研究センター分子機能グループの馬久地みゆき研究員、西海区水産研究所亜熱帯研究センター生産技術グループの小磯雅彦グループ長、山口智史技術員らの共同研究チームは、沖縄三大高級魚の1つであるスジアラ[1]の代謝マーカー情報抽出に成功しました。 スジアラは「アカジン」とも呼ばれ、ハタ科魚類ならではの上品な味と癖のない淡白な肉質が人気で、マース煮(塩煮)をはじめとする南国特有の調理法でされています。中華料理の高級材として高値で取引されており、中国等への輸出商材として期待されます。しかし現状のスジアラ養殖では、給餌手法が最適化されていないため、成長が遅いうえに、内臓脂肪が多い「メタボ状態」にある魚が多いことが問題になっています。その

  • 自閉症の新たな候補遺伝子 | 理化学研究所

    要旨 理化学研究所(理研)脳科学総合研究センター精神生物学研究チームの内匠透シニアチームリーダー、仲西萌絵リサーチアソシエイトらの国際共同研究グループ※は、自閉症(自閉スペクトラム症)の発症に関与する可能性がある遺伝子として、新たに「NLGN1」を同定しました。 自閉症は、社会的コミュニケーションの障害と繰り返し行動、こだわりの強さを特徴とする発達障害の一つです。自閉症は遺伝的要因が強く関与する疾患であり、特定の遺伝子の変異が発症の原因となることが知られています。なかでも近年、シナプス[1]に関連する遺伝子の変異が多く同定されていることから、シナプス異常と自閉症の関連が強く示唆されています。 今回、共同研究グループは、自閉症患者から新たにNLGN1と呼ばれるシナプス関連遺伝子の変異を同定し、患者で発見された変異がNLGN1タンパク質の減少などの異常を引き起こしていること、またシナプス形成不

  • 記憶と運動の情報を区別して伝える神経回路を発見 | 理化学研究所

    要旨 理化学研究所(理研)脳科学総合研究センター知覚神経回路機構研究チームの風間北斗チームリーダーと塩崎博史研究員らの研究チームは、ショウジョウバエの脳において、探索行動に関わる「記憶」「運動」「視覚」といったさまざまな情報を区別して伝える並列神経回路[1]を発見しました。 動物は感覚や記憶、自分自身の動きなど、さまざまな情報を組み合わせることで、効率的に餌や交配相手を探し出します。この能力は、哺乳類や昆虫を含む多くの動物に共通していますが、脳がどのようにして探索行動に関わるさまざまな情報を処理しているかは分かっていません。その理由の一つに、このような研究に用いられる哺乳類の脳が大きく複雑なため、解析が難しいことが挙げられます。 そこで研究チームは、小さな脳で巧みに探索を行うキイロショウジョウバエ[2]の成虫(以下、ハエ)に着目しました。まず、ハエの羽ばたきに応じて景色が変化するバーチャル

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    agrisearch 2017/09/05
    「バーチャルリアリティ空間を飛行するハエの脳信号を解読」
  • 種子の寿命をコントロールする | 理化学研究所

    要旨 理化学研究所(理研)環境資源科学センター適応制御研究ユニットの瀬尾光範ユニットリーダー、佐野直人特別研究員、セルロース生産研究チームの持田恵一チームリーダーらの共同研究グループ※は、「プライミング[1]」と呼ばれる種子処理後の種子寿命の減少には、植物ホルモンの一種である「ブラシノステロイド[2]」が関与することを明らかにしました。 種子の発芽は作物生産における出発点として重要な現象であるため、市販の種子には発芽力を向上させるプライミングと呼ばれる種子処理が施されています。一方で、プライミング処理は副作用的に種子の寿命[3]を減少させる場合があります。これは、市場での種子の流通・保存の面を考えた場合には不都合です。そのため、斉一かつ素早い発芽と、種子の寿命を両立するため、プライミングによる寿命減少の分子機構の解明が求められていました。 共同研究グループはまず、シロイヌナズナの自然変異[

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    agrisearch 2017/08/22
    「今後、ブラシノステロイドの内生量や働きを制御する薬剤を用いた新たなプライミング技術を開発することで、種子の流通・保存時のコスト削減などを実現し種苗産業に貢献することが期待できます」
  • 植物の新しい環境ストレス適応機構の発見 | 理化学研究所

    要旨 理化学研究所(理研)環境資源科学研究センター植物ゲノム発現研究チームの関原明チームリーダー、松井章浩研究員らの共同研究チーム※は、アンチセンスRNA[1]による植物の新しい環境ストレス適応機構を発見しました。 植物の環境ストレスに対する適応機構の解明は、環境ストレスに対して強い作物を作出するために重要です。タンパク質をコードする遺伝子の環境ストレス下での転写制御について主要な部分は明らかになっていますが、環境ストレス適応における長鎖非翻訳型RNA[2]の機能および遺伝子の転写後制御機構についてはまだよく分かっていません。 今回、共同研究チームは、モデル植物のシロイヌナズナを用いて、環境ストレス下の植物体内で、1,000以上の遺伝子の長鎖非翻訳型アンチセンスRNAがRNA依存性RNAポリメラーゼ(RDR)[3]1/2/6により生成されることを明らかにしました。このアンチセンスRNAは、

    agrisearch
    agrisearch 2017/08/22
    「環境ストレス下でアンチセンスRNAがセンスRNA分解を促進」
  • 3,328遺伝子ノックアウトマウスから疾患モデル発見 | 理化学研究所

    要旨 理化学研究所(理研)バイオリソースセンターの小幡裕一センター長、実験動物開発室の吉木淳室長、マウス表現型知識化研究開発ユニットの桝屋啓志ユニットリーダーらの共同研究グループ※が参加する国際マウス表現型解析コンソーシアム(IMPC)[1]は、3,328遺伝子のノックアウトマウス系統の表現型とヒト疾患の臨床的特徴との間の類似性を分析し、①360遺伝子のノックアウトマウス系統が既知の遺伝性希少疾患のモデルマウスとなること、②135系統が新たなメンデル遺伝病[2]モデル候補となること、さらに③これまで不明であった1,092の遺伝子の機能を解明しました。 ヒトの遺伝子の機能や疾患における役割は、未解明な部分が多いのが現状です。この21世紀の生命医科学の最大とも言える課題に取り組むため、IMPCでは疾患モデル動物であるマウスを用いて、それぞれノックアウトマウス[3]を作製し、その生物学的特徴(表