牛の肥育農家は生後10カ月の子牛を購入し、20カ月育てて出荷するため、運転資金が膨らむ傾向がある。鹿銀のアグリプロは、家畜改良センターのデータと照合し牛一頭ずつの肥育状況やコストなどの情報をモニタリングすることで、頭数を正確に把握して現在価値や融資可能額などを割り出し、急な借り入れにも迅速に対応できる。アグリ関連融資は3月末で972億円でABLが3分の1を占める。 同じ九州フィナンシャルグループの肥後銀行(本店熊本市)も16年からアグリプロを導入。鹿銀は現在、牛の繁殖が盛んな石垣島など沖縄県八重山地方にもABLのノウハウを持ち込もうとしている。後継者不足で全国的に牛の繁殖農家が減少して子牛の価格が高騰する中、繁殖が畜産業の経営の鍵を握るからだ。 畜産業者への派遣の第1号である山元秀介自然部調査役(40)は沖縄でのABL展開について、「うちの手法を入れることで安定した経営や規模拡大ができれば