ラバー RUBBER 2012/フランス R15+ 監督:カンタン・デュピュー 「『E.T.』のエイリアンは何故茶色なのか? 理由は無い」 「『悪魔のいけにえ』で殺人をした後に手を洗わないのは何故か? 理由は無い」 「『戦場のピアニスト』の主人公はピアノの天才なのに何故酷い目に会うのか? 理由は無い」 などと、1人の保安官が撮影カメラ、すなわちこちらに向かい語りかける冒頭。はな、この人は何をのたまっておるのであろうか、もしくは気が狂っておるのであろうか、と、蕎麦を手繰る手も止まってしまおうというものであるが、そんなこちらの当惑とは無縁に、映画は始まる。 「映画にも人生にも理由の無いことが溢れている。だからこの映画はそれらをリスペクトする。オマージュを捧げる。分かったか?」と、ええと何が「だから」なのかさっぱり意味が分からぬのであるが、こうした言い訳……言い草に高まっておると、はな、配ら