10月31日の衆院選を前に、英紙「フィナンシャル・タイムズ」は岸田政権が本当に賃金を上げたいのであれば、アベノミクスの枠組みを維持しつつ、政治的に難しい政策を推し進める必要があるとの社説を掲載した。 岸田文雄は「新自由主義」を排する日本の新しい首相である。約束として掲げるのは、安倍晋三元首相のもとで実施された、いわゆるアベノミクスの路線に修正を加えることだ。新しい資本主義を作り、経済成長の恩恵を幅広く中流階級に行き渡らせ、すべての人の賃金を上げるという。 耳に心地よく響くのは間違いない。だが、アベノミクスが一貫性のある論理的な政策であり、8年続く安定政権の基盤となったのに対し、キシダノミクスは、少なくともいまのところ、こうだったらいいのになという目標を幾つか束ねたものでしかない。目標達成のための計画を伴っていないのだ。 岸田首相は先日、フィナンシャル・タイムズ紙のインタビューに応じ、アベノ