スウェーデンの環境活動家グレタ・トゥーンベリが、10月31日から英国グラスゴーで開かれるCOP26を前に英紙「ガーディアン」に寄稿。これまでの大人を糾弾する口調とは少し違う、具体的で前向きな議論を全訳でお届けする。 アントニオ・グテーレス国連事務総長は、IPCC(気候変動に関する政府間パネル)の気候危機をめぐる最新レポートを、人類に対する「コード・レッド(厳戒警報)」と称した。「私たちは奈落の瀬戸際に立たされている」とグテーレスは述べた。 こうした言葉は、私たちの社会で何らかの警鐘と受け止められるだろうと思われるかもしれない。だがこれまでのあまりに多くの場合と同じく、そうはならなかった。気候・環境危機の否認はあまりに根深く、もはやほぼ誰も真に受けていない。 誰もこの危機を危機と受け止めないので、存亡に関わる警告は、グリーンウォッシュの着実な潮流と日々のニュースの流れに飲み込まれ続けている。