【連載】MJの本質 未完の国産旅客機 第4部 三菱重工業が開発を凍結中の日本初の国産ジェット旅客機。機体の登録記号は「MJ」と三菱ジェットの頭文字を持つ。今回は、三菱重工業の開発子会社「三菱航空機」のトップが、羅針盤のない航海に乗り出して混乱する社内の様子を赤裸々に語る。川井昭陽元社長の独白が始まった―。(中日新聞経済部)
三菱重工業(7011)は、ジェット旅客機「三菱スペースジェット(旧MRJ)」の開発を中止する方針を固めた。近く正式発表する。同社は取材に対し「開発を中止した事実はない」とコメントした。国が機体の安全性を証明する「型式証明(TC)」を取得しても事業として成立しないため、これ以上の投資は難しいと判断した。スペースジェットの開発で得た知見は、日本と英国、イタリアの3カ国で共同開発する次期戦闘機などに生かす。 *開発中止を正式発表。記事はこちら。 三菱重工は「一旦立ち止まる」との表現で、スペースジェットの開発を2020年10月30日 に事実上凍結。関係者によると、TC取得に関する費用は今後も数千億円規模でかかる見通しで、開発を続けても事業として成立しないとの結論に至ったという。 スペースジェットの納期は当初、2013年だった。2008年に開発がスタートし、納期は6度もの延期で2021年度以降として
とても長くなりました。10,000字を超えています。 途中で読み疲れちゃうようだったら、ブックマークなどを利用して、分けて読んでいただけると幸いです。 なにがあったのか、まず事実関係を確認「売れなかった」からではない。一部の論者は「MRJはユーザーのニーズに合っていないから失敗した」とかいう誤解をしているようですが、そうではありません。ニーズに合っていたか、よい飛行機だったか、という問題ではないのです。旅客機の開発はお金と時間がかかるので、最初に「見込み客」との契約を行い、それが成立した時点で開発を決定するのです。この顧客を「ローンチ・カストマー」と言います。 MRJの場合、ローンチ・カストマーは全日空でしたが、開発が進むにつれて海外からの発注も獲得しており、将来的に採算がとれるかどうかは別として、「顧客ニーズに合わない」的外れの製品ではありませんでした。 もちろん、これから開発する飛行機
三菱重工業(7011)が国産初のジェット旅客機「三菱スペースジェット(旧MRJ)」の開発を事実上凍結して2年が過ぎた。2020年10月30日に、「一旦立ち止まる」と独特の表現で明らかにし、国が機体の安全性を証明する「型式証明(TC)」の取得に必要な文書作成は続けるものの、飛行試験は中断。6度もの延期で2021年度以降としていた納期は、泉澤清次社長が「設定していない」と、この時点で未完の航空機になる可能性が高まっていた。 2019年のパリ航空ショー出展を終えル・ブルジェ空港を離陸する三菱スペースジェットの飛行試験3号機。すでに解体済みだ=19年6月18日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire 11月1日に発表した2022年4-9月期(23年3月期第2四半期)決算では、「SpaceJetの開発減速に係る偶発負債」に言及。「当社は、新型コロナウイルス感染
国産初のジェット旅客機「三菱スペースジェット」について、三菱重工業は開発費をさらに削減する方針を固めました。「2021年度以降」としている初号機の納入の見通しが一層不透明な状況になっています。 すでに今年度の開発費を従来の半分程度に減らすなど開発体制を大幅に縮小していましたが、新型コロナウイルスの感染拡大の影響が長引き航空機需要の回復が見通せないほか、アメリカでの飛行試験も中断を余儀なくされています。 このため三菱重工業は、機体の安全性を証明する「型式証明」の取得に向けた作業は続けるものの、来年度以降の開発費を一段と削減する方針で、来週発表する中長期の経営計画に合わせて明らかにすることにしています。 これによって、「2021年度以降」としている初号機の納入の見通しも一層不透明な状況になりました。 スペースジェットは国産初のジェット旅客機で、日本の航空機産業を育成するプロジェクトとして大きな
三菱重工業が国産初のジェット旅客機スペースジェット(旧MRJ)の開発費や人員を大幅に削減し、事業を凍結する方向で最終調整していることが22日、複数の関係者への取材で分かった。新型コロナウイルスの流行が直撃し、納入先の航空会社の需要回復が当面見込めないと判断した。巨額の開発費を投じ、官民で約半世紀ぶりの国産旅客機を目指したが、ノウハウ不足で6度納期を延期していた。国の産業政策にも大きな打撃となりそうだ。 30日に発表する中期経営計画で詳細を説明する。今後は航空需要の動向を見ながら、事業を再開するかどうかを検討するとみられる。
三菱航空機の小型旅客機「MRJ(三菱リージョナルジェット)」の試験飛行と開発が、いよいよ佳境に入ろうとしている。5月31日からは試験機2号機が加わり2機体制で飛行試験が行われ、日に複数回のフライトも実施しながら、開発が急ピッチで進められている。7月末には、米ワシントン州のモーゼスレイクへと旅立ち、米連邦航空局(FAA)とも連携を取りながら、夏以降4機体制で本格的な飛行試験が行われる運びである。MRJの納入予定時期は当初13年だったが、開発の遅れを理由に度重ねて納入は延期され、昨年12月には従来の17年春から18年半ばに先送りすると発表されていた。そんなMRJの開発も、今や順調な軌道に乗ったようにみえる。 ところが、仮発注も含め300機以上も発注を得た主たる市場である肝心の米リージョナル航空会社(地域航空会社)で、MRJ90(88席)を現状では運航できそうにないのである。その理由は、大手航空
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く