独り暮らしの人が誰にもみとられず死後に発見される孤独死は、先進諸国で深刻な社会問題になっている。なかでも高齢化が未曽有のペースで進む日本の状況は厳しい。しかし、高齢者の孤独は家族との同居だけで解決できる問題ではなく、ましてや夫婦関係が破綻していても離婚せず同居を続けることが多い日本では、いわゆる「リビング・トゥゲザー・ロンリネス(同居による孤独)」という別の問題も深刻だ。孤独死問題に長年取り組み、関連著書も多いニューヨーク大学のエリック・クリネンバーグ教授に、社会的孤立の真の問題点と克服策を聞いた。(聞き手/ジャーナリスト 矢部武) エリック・クリネンバーグ (Eric Klinenberg) ニューヨーク大学社会学部教授、同大学学報誌「パブリック・カルチャー」編集長を兼務。都市研究、リスクと災害、メディアと文化などが専門。早くから都市部の孤独死問題に取り組み、独居者の社会的孤立を防ぐセー