セイラ・マスの半生は波乱に満ちている。出生時の名前はアルテイシア・ソム・ダイクン。父であるジオン・ズム・ダイクンは、後に地球連邦との間で一年戦争を起こすサイド3の首相で、ジオニズムを提唱したカリスマ的指導者だったが、急逝。公式には病死とされたが、ザビ家による毒殺の可能性が高く、ダイクンの死を利用して、反地球連邦の機運を高めたザビ家は権勢を欲しいままにする。 ザビ家に遺児が害されることを恐れたダイクン派の手引きにより、セイラは兄であるキャスバル・レム・ダイクン(後のシャア・アズナブル)とともに、幼いながらにして命からがらサイド3を脱出。マス家の養子となり、医学を志したものの、滞在先のサイド7で一年戦争に巻き込まれ、以後、終戦までガンダムの母艦であるホワイトベースでオペレーターやパイロットとして従軍した。 その約10年後、「機動戦士ガンダムZZ」(第46話バイブレーション)では、特段の前振りも