「論文の数は5位。論文の質が高い被引用数上位10%の論文の数は13位」――。日本の研究力低迷が指摘されて久しいが、ほとんど引用されない論文が日本の論文の約半分を占めるまでに増えたことはあまり知られていない。論文は引用数が多いと質が高いと考えられている。文部科学省の科学技術・学術政策研究所が2023年に公表した「科学研究のベンチマーキング」によると、20年の日本の論文のうち被引用数が0〜3回のも
創られた星の名前・・・スピカは「真珠星」 今日梅雨入りの発表がありましたねぇ・・・星空が遠くなります。そんなときは星にまつわるお話でもと思いちょっと書いてみました。 2018年6月5日、午後10時、木星が南の空に明るく輝いています。今は木星のほうが明るく目立っていますが、その近くに「アークトゥルス」「スピカ」ふたつの星が輝いています。このふたつの星は「恒星(こうせい)」つまり私たちの昼間の「太陽」と同じ、自ら光を出している天体で「星座」をつくる星です。もうひとつしし座の「デネボラ」とつないでできるのが春の大三角です。デネボラが「1等星」ではなく2等星なのでちょっと地味に感じるかもしれません。 このうち「スピカ」は「お誕生日の星座」、黄道十二星座のひとつ「おとめ座」の星で「おとめ座アルファ」とも呼ばれます。おとめ座生まれの方!このスピカがあるあたりが「おとめ座」です!「スピカ(Spica)」
科学誌のNatureが「日本の研究はもはやワールドクラスではない」と言及し、なぜ日本の研究の質が低下しているのかを、データを交えて解説しています。 Japanese research is no longer world class — here’s why https://www.nature.com/articles/d41586-023-03290-1 2023年10月25日に日本の文部科学省が公開した報告書によると、日本は世界最大級の研究コミュニティを有しているにもかかわらず、ワールドクラスの研究に対する日本の貢献度は低下し続けているそうです。 文部科学省に置かれている研究機関のひとつである科学技術・学術政策研究所の科学技術予測・政策基盤調査研究センター長である伊神正貫氏は、「現在の日本の研究環境は理想とはほど遠く、持続不可能です。研究環境を整えなければいけません」と述べ、日本が世
EMドライブと違って、こっちは本物です。 沖縄科学技術大学院大学(OIST)などで行われた研究により、量子状態の変化によって仕事量をうみだす量子エンジンの史上初の実証が行われました。 量子エンジンは通常のエンジンとは異なり、燃料や酸素といった外部の供給を必要とせず、密閉されたピストン内部の量子状態の変化だけで仕事量を持続的に出力することが可能です。 通常のエンジンがガソリンの爆発という古典的な物理現象に依存するならば、量子エンジンは量子状態の変化という量子力学的な物理現象からエネルギーを抽出していると言えるでしょう。 量子コンピューターは演算能力において魔法のような能力を発揮しましたが、量子エンジンではいったいどんな仕組みでエネルギーを出力しているのでしょうか? 研究内容の詳細は2023年9月27日に『Nature』にて「BEC-BCSクロスオーバーによる量子エンジン(A quantum
東京電力福島第一原発の処理水海洋放出に中国が激しい反発を続ける中、あるメディア関係者が記した文章が中国のネット上で広く拡散されている。文章は、激高した若者が七つの質問によって態度を一転させたことをつづったものだ。以下はその概要。 私はここ数日、日本の処理水の海洋放出に理性的な判断を呼び掛ける文章を書いた。「パニックにならないこと。国際原子力機関(IAEA)、そして科学と常識を信じること」が文章の核心的観点だ。文章の発表後、私はある若者から電話を受けた。彼は開口一番、私を「売国奴」とののしり、日本人から金をもらったのかとも言った。私は辛抱強く七つの見方を伝えることにした。 私は一つ目に、12年前、地震で起きた津波で原発が破壊され、未処理の汚染水が海に流出したことを覚えているかと尋ねた。続けて「12年後、日本はIAEAの監督の下、汚染水を処理して30年という時間をかけてゆっくり海に放出する計画
2021年秋、東京都江東区の「毎日オークション」に、女性が幼子を抱きかかえる「聖母子」の絵画が運び込まれた。所有者から競りにかけてほしいとの依頼を受けたためだ。サイズは106・7センチ×89・8センチ、保存状態は良好。翌年1月下旬のオークションにかけられることが決まり、事前周知のためホームページに写真が掲載された。 すると、ポーランドの文化・国家遺産省からこんなメールが届いた。 「その絵は第2次世界大戦中、ポーランドがナチス・ドイツに奪われた『略奪美術品』の疑いがある」 毎日オークションの小野山良明副部長は驚いた。「こんなことが起こるとは思いもせず、本当にそんな部署があるのか大使館に問い合わせました」
旧満州のハルビン市近郊に拠点を構えていた関東軍防疫給水部本部、通称「731部隊」は、人体実験の結果をもとに生物兵器の開発をしていたことで知られる。最近、中国の考古学研究チームが、黒竜江省に残された同部隊の地下研究施設についての報告書を発表。その非人道的な実験の一端を明らかにしている。 中国の黒竜江省文化財・考古学研究所のチームは、第二次世界大戦中、旧日本軍の「関東軍防疫給水部本部」、通称「731部隊」が生物兵器の開発のために恐ろしい人体実験をおこなっていた地下研究施設を発見した。 施設が見つかったのは、黒龍江省安達市の近郊だ。 長大なトンネルと複数の小部屋 2023年5月、中国の考古学誌「ノーザン・カルチュラル・レリックス」に、この地下研究施設の調査報告書が掲載された。同報告書は、この施設の発見によって、戦争犯罪の新たな証拠が見つかる可能性があると述べている。 「報告書には、いまも残る73
(科学ジャーナリスト:添田 孝史) 地震のリスクを科学的に評価する(リスク評価)。その評価をもとに、被害を小さくするためハードやソフトの対策を進める(リスク管理)。それが地震防災の進め方だ。 しかし311前の東北地方の津波リスク評価は、電力会社を中心とする「原子力ムラ」の圧力でねじ曲げられており、そのため津波で多くの人が亡くなり、原発事故も引き起こした可能性がある。そんな疑惑を、元日本地震学会会長の島崎邦彦・東大名誉教授が、3月末に発売された著書『3.11 大津波の対策を邪魔した男たち』(青志社)で告発した。この告発は、一般の人だけでなく、地震学者など専門家の間でも話題になっている。 「おかしなことが起こっている」だが背景はわからなかった 島崎さんは、2002年以降、津波のリスク評価が水面下で巧妙にねじ曲げられていった経緯を、公開されていなかった議事録や電子メールなどを引用して、研究者や官
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日本学術会議の梶田隆章会長は17日の総会で、会員選考に第三者の委員会を関与させることなどを盛り込んだ政府の学術会議見直し案に対し、海外の自然科学系のノーベル賞受賞者61人から懸念を表明する共同声明を受け取ったと発表した。 梶田会長は「世界の傑出した多くの科学者からメッセージが寄せられた。(科学者組織の)独立性が重大な関心事であることを改めて確認できた」と話した。 政府案を巡っては、2月に東京工業大の大隅良典栄誉教授など国内のノーベル賞受賞者ら8人が「学術の独立性(を損なう)といった根源的かつ重要な問題につながる」と危惧する声明を公表。梶田会長によると、今回の海外からの共同声明は「日本の8人が表明した懸念を共有し、全面的に支持する」としている。
こんにちは、編集部 石川です。 毎月1回、当サイトのライターに専門分野や得意分野の話を聞いています。今回は、大学院生で美術史を研究している唐沢むぎこさん。 美術史って何なの?何が面白いの?基本からきいてみました。 美術史は美術を通して歴史を見る 石川:すごい根本的な話なんですけど、美術史って最終的にはなにが知りたいんですか? 唐沢:私は最初、単に「美術見たいな」っていう動機で入ったんですよ。でも入ってから教えてもらったことがあって…… 石川:はい。 唐沢:この時代にこの国でこのスタイルが流行った、みたいな現象をたくさん見ていくと、まず美術の中の流れが見えてきます。 石川:点が線に。 唐沢:その時点でひとつの美術史ではあるんですけど、そこからさらに「美術から見る歴史」を考えることができるんです。美術って単独であるわけじゃなくて、政治と関係があったり、文化とか経済と関係があったりするわけですよ
宇宙航空研究開発機構(JAXA)は17日、米国のロケットで16日に打ち上げた2つの超小型探査機のうち、日本初の月面着陸を目指す「オモテナシ」との安定的な通信が確立できていないと明らかにした。17日午前9時現在で探査機の詳細な位置などが分からない状況になっており、JAXAが継続的な通信を試みている。JAXAは2つの探査機について、午前6時に打ち上げ後の状況を公表した。想定通りであればそれまでに正
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NISAの制度拡充が金融庁から提案されています。 NISA、長期運用に重点 「資産所得倍増」へ一歩: 日本経済新聞 期間の恒久化、金額の拡充、つみたてNISAへの一本化などなどが提案されているようで、どこまで採用されるかは分かりませんが、資産所得倍増計画という話もあるので、多少は改善すると期待しています。 と、金融庁的には世論の後押しを求めての今回の提案と理解しているので、私も自分の意見を表明しておきます。 で、今回仮に拡充されるとすると、岸田さんが今年5月の英・シティーで「Invest in Kishida!」と言っていたので、日本企業に投資をしやすいような仕組みにするんじゃないかと思います。 私は日本経済・日本企業の成長性が低いと考えているので、日本株にはこれまで一切投資をしてきていませんでした。ただ、制度が変わって、投資に何らかの優遇があるなら、日本企業に投資をしてもいいかなと少し考
自然科学の分野で、おととしまでの3年間に発表され引用が多かった論文の数を各国で比較したところ、日本は過去最低の12位に後退し、初めてトップ10から陥落しました。 調査したのは文部科学省の科学技術・学術政策研究所で、おととしまでの3年間に世界で発表された生物学や物理学など自然科学の22分野の論文を国や地域ごとに分析しました。 論文の引用回数は「質」の高さの指標とされ、各研究分野で上位10%に入った論文の数は、おととしまでの3年間の平均で日本は3780本と前回からわずかに増えたものの、韓国などに抜かれ10位から12位に後退。 1981年にデータを取り始めて以降、初めてトップ10から陥落しました。 また、論文の総数でみると、同じく3年間の平均で6万7688本で、前回から1つ順位を落とし5位に後退しました。 文部科学省は、自然科学の分野で日本の存在感が低下しているとしたうえで、要因として、ここ20
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